東京都世田谷区上祖師谷で2000年12月、会社員宮沢みきおさん(当時44歳)一家4人が殺害された事件は、30日で発生から21年となる。容疑者の特定には至っていない。警視庁捜査1課で約11年間捜査を担当した野間俊一郎警視(59)(現・東大和署長)は来春の定年退職を前に、「必ず犯人を逮捕するとの強い思いで捜査に当たってほしい」と刑事たちを鼓舞している。
野間さんは1980年に警視庁に入り、殺人や強盗事件などを担当する捜査1課に約17年間勤務。世田谷一家殺害事件の担当になったのは、警部時代の2005年3月だった。
当時、宮沢さんの父・良行さんに「大変でしょうけど、よろしくお願いします」と声をかけられた。悲しみに暮れる遺族に気を使わせてしまっていること自体が申し訳なく、「何としてでも犯人を逮捕し、遺族の思いに報いる」と誓った。
捜査では、関係者の話や遺留品などの証拠を改めて精査し、犯人につながる情報を見逃していないかを徹底的に検証した。しかし、容疑者の特定には結びつかず、良行さんは12年9月に84歳で亡くなった。
警視に昇任後、捜査1課の管理官や理事官としても捜査を指揮した。昨年8月、東大和署長に転じた後も、「毎日、事件のことを考えている」。部下の署員にも折に触れて事件のことを語っている。「一見すると関係のなさそうな情報でも、重要な手がかりになる可能性がある。気づいたことは積極的に報告してほしい」との思いからだ。
現場に容疑者の指紋やDNAが残されており、一致する人物が見つかれば、逮捕できる可能性は十分にある。野間さんは「地道な捜査を続けることこそが大事だ」と力を込める。
事件では宮沢さんと妻の泰子さん(当時41歳)、長女のにいなちゃん(同8歳)、長男の礼君(同6歳)が包丁で刺されるなどして殺害された。宮沢さんの母、節子さん(90)は13日、取材に「自分が元気なうちに捜査が進展してほしい」と語った。