10月の衆院選京都1区で初当選した自民党の勝目康衆院議員(47)を支援する運動員に報酬を約束したとして、岸本裕一府議(68)=京都市北区選出=が公選法違反(買収約束)の疑いで書類送検された事件で、岸本府議が「お礼をせなあかんと思った」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。報酬を出すことで、運動員を確保する目的だったとみられる。
京都府警捜査2課と北署などは15日、岸本府議を書類送検したと発表した。自民党会派に所属していた岸本府議は同日までに離党し、議員辞職した。
捜査関係者によると、勝目氏の選挙対策本部による指示ではなく、岸本氏が個人的に報酬の約束をした可能性が高いという。当選が無効となる「連座制」の対象とはならない見込み。
書類送検容疑は衆院選公示前の10月12日、北区上賀茂にある自身の事務所で、20~70代の知人女性3人に対し、勝目氏への投票を有権者に呼び掛ける「電話作戦」の報酬として、1時間当たり千円を支払う約束をした疑い。府警は、女性3人も公選法違反容疑で書類送検した。
府警は認否を明らかにしていない。岸本氏の代理人弁護士は、京都新聞の取材に「何も答えられない」と話した。
捜査関係者の説明では、岸本氏は女性らに指示し、公示後の19~30日に事務所で作業をさせていた。女性らは1日に数十回電話をかけ、計50時間ほど従事。報酬は支払われる前だったという。
府警は11月上旬に岸本氏を任意聴取し、事務所や自宅を家宅捜索して電話のシフト表などを押収した。捜査関係者によると、その後に岸本氏が体調不良を理由に京都市内の病院に約2週間入院し、退院後に事情を聴いていた。当初は否認していたが、今月になって容疑を認めたという。
衆院選京都1区では当選12回の自民党の伊吹文明元衆院議長が政界を引退。元総務官僚の勝目氏が後継として立候補し、共産党前職や日本維新の会新人との激戦となった。岸本氏は勝目氏の選挙対策本部に入り、北区の街頭宣伝活動や個人演説会などに携わっていた。