大型犬ひしめく警察犬の世界にかわいいニューフェースが登場した。岡山県警は行方不明者の捜索や犯罪捜査などを担う嘱託警察犬を、トイプードルのハンナに委嘱した。2022年1月から2年間、「鼻の捜査官」として活躍する。県内でトイプードルの警察犬は初めて。
ハンナは6歳の雌。体高約24センチ、体重約2・5キロ。あめ色の輝くような体毛とくりっとした瞳が愛らしい。飼育する井上暢恵さん(45)=同県美咲町=は18年から、雄のラブラドールレトリバーのハーシーも嘱託犬として指導している。
ハンナはハーシーの「背中」を見て育った。ハーシーは習得が早く、そのまま訓練を重ねて合格。その後も週に数回、近くの公園で臭いの嗅ぎ分けや足跡の追跡などの技能を向上させてきた。2年ほど前、井上さんがハーシーの訓練の休憩時間に遊び半分で同じ訓練をハンナに試したところ、失敗なくできた。教えたことはすぐに覚えるといい、ハーシーの動きを「勝手に見て覚えていった」。
11月に開かれた審査会では一発合格した。「手応えはなかったが、緊張せず普段通りできた」と井上さん。トレーナーの訓練を受けて合格したハーシーと違い、ハンナは井上さんの訓練だけでの合格だった。「プライドの高い子だから、当然と思っているのでは」と苦笑する。
ハンナの新年からの活動を前に、井上さんは「神経質なので、いろいろな場所や場面で雰囲気にのまれてしまうのではないか」と心配している。その半面、だからこそ慎重に臭いを嗅ぎ分けられるのではと期待もしている。「体が小さいからこそできることがある。狭い場所や人目を忍ぶ場所の捜索で活動できれば」と話す。県警鑑識課の大森保次長も「愛くるしい姿で大型犬では難しい場所で活躍してほしい」と期待していた。
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県警本部(岡山市北区)であった委嘱式では、井上さんら11月の審査会で合格した指導者約25人に、檜垣重臣本部長が委嘱状を手渡した。
今回委嘱されたのは34匹。うち半数以上をシェパードやラブラドールレトリバーといった大型犬が占めた。県警鑑識課によると、以前は軍用犬などでも活躍するシェパードが大多数だったという。今回の審査では、「ベルジアン・マリノア」や「ジャック・ラッセル・テリア」などペットとして親しまれる犬種も合格した。同課は「飼われる犬種が広がったことが、嘱託警察犬の犬種が広がった要因の一つではないか」としている。【岩本一希】