大阪ビル放火容疑者、体当たりで逃げる患者ら押し戻す…廊下のドア閉め閉じ込めたか

大阪市北区曽根崎新地のクリニックで起きた放火殺人事件で、谷本盛雄容疑者(61)が放火後、室内にいた患者ら26人を出入り口のないクリニック奥の部屋に追い込んでいたことがわかった。現場の防犯カメラ映像で判明した。奥側と待合室を仕切るドアは閉まり、ドア手前では谷本容疑者が倒れた状態で発見された。大阪府警は、谷本容疑者が患者らを閉じ込め、一酸化炭素(CO)中毒による大量殺人を図ったとみている。
府警がクリニック内の防犯カメラを解析した結果、谷本容疑者は17日午前10時15分頃、ガソリン入りのポリ容器が入った紙袋二つを両手に持って訪れていた。受付付近で紙袋の一つを傾け、待合室の床にガソリンをまいた後、オイルライターで火を付けた。谷本容疑者はもう一つの紙袋を持ち上げ、非常階段につながる扉近くにもガソリンをまいて引火させた。
待合室には大勢の人がいたが、外部につながる扉や窓のない奥の方に逃げていた。谷本容疑者は出入り口を目指して待合室に戻ってきた人には体当たりをし、押し戻していた。
26人を奥にあるリワークルームや診察室に追い込んだ後、待合室につながる廊下のドアを閉め、閉じ込めたとみられる。26人は、いずれも心肺停止状態で倒れていた。

現場からは放火に使ったオイルライターが見つかったほか、ナイフ1本が見つかったことも判明した。谷本容疑者の服のポケットには催涙スプレー2本も入っており、府警は、抵抗された際に使おうとしていたとみている。
火災では、院長の西沢弘太郎さん(49)を含む25人が死亡。うち24人の死因はCO中毒だった。心肺停止の状態で救急搬送された女性1人は重篤な状態で、病院で治療が続けられている。谷本容疑者も搬送されており、CO中毒で重篤という。
一方、府警は22日、死亡した25人のうち、新たに女性2人の身元を発表した。これで身元が判明したのは計23人になった。