警察車両襲撃から約2カ月──。犯行グループ5人のうち、逃走中だった4人がようやく逮捕された。
大阪市阿倍野区内で10月21日、大阪府警のパトカーと、車上荒らしで押収した乗用車を運搬中のレッカー車が、3台の車に襲撃され、押収車両から証拠品が強奪された事件。府警捜査1課は21日、強盗容疑で指名手配していた韓国籍の自営業、崔浩司容疑者(48)を逮捕した。一連の事件の逮捕者はいずれも職業不詳の大森由嗣(49)、犬塚誠(42)、山口組弘道会系組員の岩本政義(49)ら3容疑者。府警は事件に関わったとみられる残り1人の足取りを追っている。
崔容疑者は事件当日、レッカー車で運搬されていた押収車両のドアを開け、車内から証拠品の荷物を奪った実行犯だ。
府警が崔容疑者の前に逮捕したのが、大森容疑者だった。捜査員は大阪市生野区で大森容疑者が乗っている軽自動車を見つけ、コンビニに立ち寄ったのを確認し、店から出てきたところを取り押さえた。翌20日午後には、すぐ隣の東大阪市のコインパーキングで、崔容疑者が使用している軽自動車を発見。捜査員が近くで27時間張り込み現場に現れた崔容疑者を逮捕している。
■ホテルで覚醒剤ざんまい
「まず最初、11月に逮捕したのが犬塚容疑者や。犬塚容疑者は警察車両を襲撃した3台のうち、最後尾の赤い車を運転して捜査車両に激突させ、捜査車両の進行を妨害。現場から数キロ先で車を乗り捨て逃走していた。11月12日、女と一緒にホテルから出てきたところを捜査員が職質し、逮捕した。2人が泊まっとったホテルの部屋からは複数の注射器が見つかり、尿から覚醒剤反応が出た。覚醒剤を打ちながら、しばらくの間、ホテルで身を潜めとったようや」(捜査事情通)
それから約1カ月後の12月16日、崔容疑者の逃走を手助けしたとして、府警は岩本容疑者を犯人隠避容疑で逮捕した。
「山口組組員の岩本容疑者は、崔容疑者が指名手配中だと知りながら自らが契約したレンタカーに乗せ、逃走を手伝った。11月28日、助手席に乗せ、市内を移動する姿が防犯カメラに写っとった。29日に岩本容疑者から話を聞いたら、会うとったことは認めたんやが、その後、連絡が取れんようになったため、逮捕状を取り、指名手配した」(前出の捜査事情通)
崔容疑者に証拠品強奪を実行させた主犯格の大森容疑者は、「私の誕生日に大切なものを取り返しに行った」と供述しているという。
そう簡単に口を割るとは思えないが、仲間4人と共謀し、逮捕、懲役まで覚悟して奪い返したかったモノは何だったのか。「大切なもの」とは、バレたら命に関わるような「重大証拠」だったのだろう。すでに犯行グループの手によって、処分されている可能性が高い。