これまでスマホ決済の記事をたくさん書いてきてなんですが、QRコード決済やバーコード決済って意外に面倒じゃないですか。
レジに行ったらスマホをオンにしてアプリを開き、「支払い」のページを開いてQRコードやバーコードの画面を提示する。書いてみると改めてわかりますが、結構な手間がかかりますよね。
しかも、たまに通信状況が悪くて「支払い」のページが開かず、後ろに並んでいる人たちのイライラする気配にビクビクすることも。また、自分でQRコードを読み込んで金額を打ち込むパターンもあって、こうなるとデジタルに弱い年配の人たちはもう無理だろうなと思います。
いまひとつQRコード決済やバーコード決済が浸透しきれていない理由がコレなんじゃないでしょうかね。
ふとここまで考えて、筆者がスマホ決済を利用しているのは「便利」だからじゃなく、「お得」だからだなと気づきました。ぶっちゃけ、財布がかさばるという問題を抜きにして「支払い」だけで考えれば、現金のほうがわかりやすくてラクじゃないでしょうか(かなり弱気になってます)。
スマホ決済というとなんかスマートなイメージですが、QRコードやバーコードは全然スマートじゃない! 〝ピッ〟とタッチするだけのSuicaやApple Payと比べると、どうしてもアナログというか、ローテク感がすごいんですよね。
それもそのはずで、バーコードやQRコードが登場したのはスマホが登場するよりも昔のことなんです。具体的には、バーコードが実用化されたのは1967年(発明は1949年)、QRコードは1994年のこと。時系列的なストーリーとしては、最初にアメリカのショップが混雑するレジ対策としてバーコードを採用して、その後に情報量の多いQRコードが誕生したという感じですね。
ちなみにQRコードを発明したのは日本の企業で、自動車部品メーカーのデンソーさん(現在はデンソーウェーブ)なのだとか。同社HPに開発秘話的なエピソードが掲載されているので詳しくは書きませんが、多様化する生産管理のためにバーコードの大容量化が求められた結果、バーコードよりも膨大な情報を記録できるQRコードを開発することになったんだそうです。
つまるところ、バーコードやQRコードがスマホ決済のために生まれた技術というわけではなく、そのためにいまひとつスマホ決済への最適化につながらず、筆者が漠然と感じた〝アナログっぽさ〟の一因なんじゃないかと思います。だって、スマホなんてない時代に誕生した技術をスマホとマッチングしているわけですから、そりゃ「なんか不便だな~」と感じても仕方がないだろと。
あと、従来のバーコードやQRコードの利用では、消費者が「労力」や「時間」というコスト的なもので負担を感じることは少なかったと思うんです。
例えば、バーコードなら商品をレジに持っていけば読み取ってもらえたし、QRコードなら自分の好きな時間にスキャンして任意のWEBページに飛べました。
でも、それをスマホ決済に転用した場合は、冒頭でも書いたように、自分でスマホのアプリを開くという労力が発生するし、その際にレジが混雑していたら時間も気にしないといけないしで、従来の用途よりも消費者にかかるコストが増えているじゃないですか。
まあ、そもそもバーコードやQRコードのスマホ決済というのは、消費者ではなく店舗側にメリットのあるシステムです。クレカや電子マネーだと専用機器が必要だったり、与信みたいな審査を通らないといけなかったり、いろんな導入コストが生まれてしまいます。でも、バーコードやQRコードはそのコストが低く、導入しやすいでしょというのがウリなんです。
これまでのスマホ決済は、各社が競うようにキャンペーン合戦を繰り広げていることで話題を集め、利用者を増やしてきました。しかし、高額の還元キャンペーンは企業にとって大きな負担になるはずで、この状況がいつまでも続くとは思えません。
また、「どれだけ出てくるの?」というくらい林立している状況も中小規模のサービスには厳しく、淘汰も激しくなる可能性は大きいでしょう。実際、わりかんアプリの「paymo」は2019年5月30日でサービス提供を終了していて(決済サービスの「paymo biz」は継続)、これに続くようなサービスが今後に出てきそうな予感がします。
それどころか、スマホ決済サービス全体についても、いまの「お得」だけではなく、「便利」を感じさせる何らかの仕組みを生み出さないと幅広い層に定着するのは難しいかもしれません。(文◎百園雷太)