岸田文雄首相は4日、年頭の記者会見で、通常国会(17日召集予定)前の外遊見送りを表明した。ジョー・バイデン米大統領との初の対面での首脳会談も先送りになった。歴代首相は就任から2カ月ほどで会談するケースが多いが、岸田首相は昨年10月4日の就任から3カ月が経過した。中国の軍事的覇権拡大が進むなか、同盟国・米国との絆は大丈夫なのか。
「今年は対面での首脳外交を積極的に進める。そこで早期に米国のバイデン大統領や、オーストラリアのスコット・モリソン首相と会談すべく調整したが、国内の新型コロナウイルス対策に万全を期すため、今月の通常国会前の外遊は行わない」
岸田首相は、三重県伊勢市での年頭会見でこう語った。
歴代首相は別表のように、大半が就任後2カ月ほどで訪米して大統領との首脳会談に臨んだり、ニューヨークでの国連総会などに出席した際に膝詰めで話し合う場を持ってきた。
岸田首相も昨年11月に英国で開かれた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で一度、バイデン氏との首脳会談のチャンスをうかがったが、短時間でのあいさつ程度に終わった。
その後も、「臨時国会(同12月6日召集)前」や「年内」「通常国会前」などで調整を試みたが、断念した。政界屈指の「親中派」外相を起用してから、風向きが変わったとの見方もある。
対面での日米首脳会談は、いつ実現するのか。
福井県立大学の島田洋一教授(国際政治)は「岸田首相は尻に火が付いている。米国側はコロナの感染急拡大もあり、日本からの一大訪問団を受け入れる必要性を感じていないようだ。北京冬季五輪後、中国に『台湾に手出しをするな』というメッセージを発信するためにも、春先までがベストだが、それも無理なら大変だ」と語った。