小池都知事、事業継続計画の策定呼びかけ 感染対策との両立模索

東京都の小池百合子知事は12日、経団連など経済3団体の代表とテレビ会議を行い、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」対策として、事業継続計画(BCP)の策定や点検を各企業に伝えるよう要望した。都はオミクロン株の特性を踏まえ、まん延防止等重点措置などの一律の行動制限ではない形で、感染対策と社会活動維持の両立を模索している。ただし、12日は約4カ月ぶりの水準となる2198人の新規感染者が確認されており、先行きは見通せない状況だ。
「社会が止まってしまう状況に至らないためにも、BCPの拡大をお願いしたい」。小池氏は12日午前、英国で多くの清掃員が感染してごみの回収が困難になった例を示し、経済同友会の桜田謙悟代表幹事にオンラインで要請した。
BCPは、地震のような大規模災害時に、指揮命令系統や代替生産手段の確保方法などを明確化した計画のこと。都は企業向けに、感染症に対応したBCPを策定しているか▽1割超の従業員が欠勤した場合、応援要員の確保方法を決めているか――といった11項目のチェックリストを作り、活用を促している。
こうした中、都内でも感染者の増加が続いている。政府の感染状況の新たなレベル分類に対応して都が昨年11月に策定した「レベル移行の目安」では、3週間後の病床使用率が最大確保病床数(6891床)の約20%に到達する見通しで、新規感染者数が週平均約500人に達した場合を目安に、政府にまん延防止措置の適用申請を検討するレベル2に引き上げるとしている。
12日時点の新規感染者数の週平均は前週の8倍超となる1148・7人。病床使用率は13・7%で、数字上は既にこうした水準に達しつつある。しかし小池氏は一律の行動制限について慎重な姿勢を崩していない。
昨年11月策定の目安は、コロナ感染の「第5波」で猛威を振るったデルタ株を念頭に、医療逼迫(ひっぱく)を招かないように想定された。しかし、都内の重症者数は12日現在で4人、重症病床使用率は0・8%にとどまり、「オミクロン株の登場によって前提が変わった」(都幹部)というのが現状だ。小池氏は千葉、神奈川、埼玉3県知事とともに、オミクロン株に対応したレベル移行の基準の見直しなども政府に求めている。
都内では、12日の新規感染者数は前週1月5日(390人)の5・6倍で、元日(79人)からわずか10日あまりで27倍に急増した。小池氏は12日午後に開催された全国知事会の会合で、最新の分析でオミクロン株の疑い例が9割に上ることを明らかにした上で「タイミングを逸することなく、実効性ある対策を講じることが重要だ」と強調した。【黒川晋史、斎川瞳、竹内麻子】