富山県滑川市内で、命の危険があったお年寄りを救ったとして、同市北野の介護施設職員、三井雅子さん(49)に滑川署から感謝状が贈られた。
三井さんは、昨年12月19日午前6時頃、雪がちらつく中を、コインランドリーに向かっていた。「普段出勤する時間よりかなり早く、まだ暗くて人通りもなかった」と振り返る。
車を走らせてまもなく、十字路の隅に人影のようなものが見えた。一度は通り過ぎたものの、胸騒ぎがしてすぐに戻った。人影は、民家の生け垣にしがみつき、しゃがんでいた高齢の女性だった。女性はパジャマにサンダル履き。頭には雪が積もり、体は冷え切っていた。
「おばあちゃん、大丈夫?」。優しく問いかけると、「どこから来たかわからんくなった」。すぐに、暖まっていた自分の車に乗せた。名前を聞いても返事はあやふや。冷え切って体も思うように動かせない様子だったので、三井さんは県警滑川署に送り届けた。署では自動販売機で温かいお茶を買って差し入れた。女性は80歳代だったが、幸いにも健康状態に問題はなく、家族が約1時間後に駆けつけ、無事に家に戻ったという。
同署の中川保署長は、昨年12月22日の感謝状贈呈式で、「三井さんの発見や対応が遅かったら命に関わっていた」と語り、行動に敬意を表した。三井さんは「こういう経験は初めてだが、無視して走り去っていたら、すごく後悔していたと思う。おばあちゃんを助けてあげられて、とてもうれしい」とほほえんでいた。