電気工事会社、前社長を告発。約1億4千万円の所得を隠し、約3900万円を脱税した疑い

携帯電話の基地局関連工事で業績を伸ばした電気工事会社「アルファエンタープライズ」(東京都台東区)が約1億4千万円の所得を隠し、約3900万円を脱税したとして、東京国税局が同社と発田一弘・前社長(46)を法人税法違反の疑いで東京地検に告発したことがわかった。
関係者によると、同社は2015年9月期までの3年間に、取引先にうその請求書を作らせ、架空の外注費を計上することで、所得を少なく見せかけた疑いがある。資金は発田前社長のクレジットカードの支払いなどに充てられたとみられる。同社は取材に「国税局の指摘を受け、修正申告して納税した」としている。
民間信用調査会社などによると、同社は高速通信規格「LTE」などの基地局関連工事を受注。設置交渉から設計・施工までを一貫して請け負うことで業績を伸ばし、16年9月期の売上高は約16億7千万円で、5年前の倍に伸ばしたという。
総務省によると、スマートフォンの普及で、全国の携帯電話などの基地局数(いずれも3月末)は11年の約30万局から16年には約50万局に増加している。