埼玉県南部に多く暮らす中東の民族クルド人が22日、さいたま市の県営秋ケ瀬公園でクルドの新春を祝う祭り「ネウロズ」を開いた。約1500人が集まり、民族衣装姿で輪になって踊った。
主催した「日本クルド文化協会」のチョーラク・ワッカス代表理事(44)はあいさつで、ネウロズが「テロリストの祭り」だと誹謗中傷を受けているとし「日本とクルドの関係を悪くしようとする人やグループと闘っていく」と述べた。
民族音楽の演奏に合わせ、指をつないでにこやかに踊り続けた。ケバブなども販売され、日本人を含む参加者が踊りや食事を楽しんだ。
一方で、昨年に続き、クルド人へのヘイトスピーチを繰り返す同県戸田市の河合悠祐市議ら数人が訪れて妨害。参加者らが「差別やめろ」と抗議し、会場から遠ざけた。
共催した市民団体「在日クルド人と共に」の温井立央代表は「差別発言を繰り返す政治家らがクルド人の感情を逆なでするように訪れた。こうした事態が起きないようヘイトスピーチを規制し、外国人の人権を守る法律が必要だ」と話した。
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「娘は泣いていた。うがいをさせ、汚れた身体をシャワーで洗い流して…」斉藤慎二の不同意性交裁判、被害者・Aさんの母親が涙ながらに証言した“被害当日のAさんの様子”
2024年7月、新宿区内の駐車場に停車していたロケバス車内で被害者女性・Aさん(20代)に性的暴行を加えたなどとして、不同意性交等の罪に問われている元ジャングルポケット・斉藤慎二被告(43)。その裁判員裁判が3月13日から東京地裁にて開かれている。
すでに2度の公判を終えたが、被害女性のAさんと斉藤被告側双方の主張は食い違っている。3月17日の第2回公判には、証人としてAさんの母親が出廷。時折涙ぐんだ声で、娘の被害を訴えた。【全3回の第2回。第1回から読む】
事件後母親は「とにかく『まずうがいして』と…」
Aさんは事件当時、会社員をしながらSNS上で情報発信を行ない、テレビ出演歴もあったという。
3月13日に開かれた初公判で検察側は、斉藤被告がAさんの同意なくキスをしたり、胸を触ったり、口内に陰茎を挿入して口腔性交をしたと主張。一方、弁護側は口腔性交は認めるものの行為の一部を否定し、「斉藤被告はAさんの同意があると思っていた」などと主張していた。
3月17日の第2回公判では、Aさんの母親の証人尋問が行われた。裁判を傍聴したライターが語る。
「事件当時、Aさんは母親と一緒に暮らしていたと言います。事件当日の朝にAさんを見送ると、ロケ中の時間帯に『ジャンポケ斉藤 めっちゃ気持ち悪いんだけど』『チューしようとしてきた』などとLINEが届いたそうです。
帰宅時、心配して母親が声をかけようとすると、Aさんは『ちんこ舐めさせられたんだけど』と報告したそうです」
以下はAさんの母親が検察官からの証人尋問に答えた内容である。
Aさんの母親:子供が地団駄を踏んで「嫌だ、嫌だ」と振る舞うような仕草を見せていて、私も動揺しました。半分泣いて、悔しさと辛さとが入り混じったような顔をしていました。 「なんで私ばっかりこんな目に遭うの」「よくテレビで同じようなことをされたと報道があるけど、その人たちの気持ちがやっとわかった」と言っていました。
検察官:その話を聞いた後、何か声をかけましたか? Aさんの母親:とにかく「まずうがいして」と言いました。娘の体が汚れてしまって、すごく嫌だったからです。
検察官:他にも「身を清めるように」と言ったことはある? Aさんの母親:「シャワーをしなさい」と言いました。
事件後の娘の姿「とてもメンタルが乱れていました」
Aさんの母親はその後、警察に行くことを提案したという。Aさんは『証拠がないよ』と言いその日は行かなかったが、数日間泣いたりため息が止まらない娘の姿を見て、母親がメンタルクリニックの予約をした。
事件発生から4日後メンタルクリニックを受診した結果、「警察に行ったほうがいい」と助言され、その翌日、Aさんは母親とともに警察を訪れたのだという。
「Aさんについて、母親は『事件後、とてもメンタルが乱れていました』『娘はどんな思いでいるのか。今後、生きていく中でずっと思い出すことがあるのかと思うと、とてもかわいそうです』など、時折言葉を詰まらせながら訴えていました。
この証人尋問中、斉藤被告は表情を変えることなく、やや下を向いて聞いていました」
母親の証言が終わると、Aさんへの証人尋問が行なわれた。Aさんはロケバスで起きた出来事について、詳細に証言したのだった。
(第3回につづく)
「心臓貫通する2か所の刺し傷」大阪・東淀川区のマンションで発見の遺体『85歳男性』と身元判明…殺人事件として捜査「ベランダの窓わずかに開いていた」
大阪市東淀川区のマンションで男性の遺体が見つかった事件で、亡くなったのはこの部屋に住む85歳の男性であることが分かりました。
今月18日、大阪市東淀川区のマンションの7階の部屋で刺し傷がある高齢男性の遺体が見つかった事件で、警察は亡くなったのはこの部屋に1人で住む橋本悠二さん(85)と発表しました。
橋本さんは先月20日を最後に連絡が取れなくなっていて、司法解剖の結果、先月下旬ごろに死亡し、心臓を貫通する2か所の刺し傷が致命傷になったということです。部屋からは複数の刃物が押収されていますが、凶器の特定には至っていないということです。
また、部屋に荒らされた形跡はない一方、ベランダの窓はわずかに開いていたということで、警察は殺人事件として捜査しています。
「排泄物を食べさせ、アルミホイルで陰部を感電」鬼畜リンチで逮捕された大阪トレカ店3人組『残虐すぎる犯行』の全容
〈 「はい、ごっくん」「何味?」10分以上も“罰ゲーム”として排泄物を食べさせ…大阪トレカ店で起こった“鬼畜リンチ”の衝撃内容 〉から続く
いじめ動画がSNSで拡散されて問題化することも多いが、そうしたケースの中でも極めて悪質な事件があった。
2025年9月、大阪府警浪速署は強要や暴行の疑いで、大阪市内のトレーディングカード店オーナー・山下諒、同店の手伝いなどを行っていた橋本充輝、竹内孔志の3人を逮捕した。3人は、店に出入りをしていた2人の被害者に対して、暴力を加えて抵抗できない状態にした上で「罰ゲーム」などと称してとんでもない犯行に及んでいた。
アルコールを身体に噴霧しライターで点火、男性器に巻き付けたアルミホイルをコンセントに差し込ませて感電させる、挙句の果てには大便を口に含ませこうした犯行の一部はスマートフォンで撮影して、仲間内で共有などもされていた。
3人の裁判は別々に行われ、2月3日に主犯格である山下被告の判決が出た。最終的に、全員に有罪判決が言い渡されている。いったい、なぜこのような事件は起きてしまったのか。裁判で明らかになったおぞましい犯行現場のようすや、法廷での被告らの態度について、傍聴を行った裁判ライターの普通氏がレポートする。
じゃんけんで負けた被害者にアルコールを吹きかけ……
2人の被害者(以下、Aさん・Bさん)は身上が判然としなかったものの、裁判では「施設」「事業所へ通所」などの単語が使われることがあった。2人とも、山下被告の店に出入りしていたようだ。
被害者のうちAさんへの事件は、山下被告、竹内被告、Aさんの3人が店内にいる際に起こった。とあるアニメ作品の話題で、作品で描写されていたとされる「足に火をつける行為」を行うことになり、じゃんけんで負けた人物が対象となった。
消毒に使うアルコールを霧吹きで噴霧した後にライターで火をつけるやり方で、一瞬で燃え上がってからすぐ自然に鎮火することから、山下被告の供述によると過去に同様のことを仲間内で10回以上行っている“定番”だったという。山下被告も竹内被告も罰ゲームとして同様の行為を受けたことがあったと供述している。
結果、じゃんけんに負けたAさんだったが、もちろん抵抗した。弁護人から、その様子を見て止める気はなかったか問われると、山下被告は「じゃんけんに負けたのでやって下さい、と言いました」とあくまで脅しではなく丁寧な口調だったことを強調。しかし、いくら丁寧な口調であろうと、じゃんけんの勝ち負けの代償には明らかに見合わない、残虐な行為である。
“罰ゲーム”は徐々にエスカレートし……
Aさんによると、下にボタボタと落ちるほど何度もアルコールを噴霧された後につけられた火は、体毛に引火。結果、28日の加療を要する広範囲にわたる火傷を負うこととなった。
これほどのケガを負った原因について山下被告は「Aさんの毛が濃かったから」、「本当に毛が濃かったんです」などと答えた。その後、病院に連れていくなどしていない点は「時間も遅かったんで、開いてないかなと」と述べた。
まるで他人事で、自身に責任がないとでも言いたそうな山下被告に、検察官からは次の質問が。
検察官「Aさんは嫌がっていたのではないですか?」
山下被告「と思います。率先する人はいないですから」
検察官「無理やりやらせたのですか?」
山下被告「流れです」
あくまで仲間内のノリの延長線上であるというような主張を、さも当然かのようなトーンで述べる山下被告。そうした姿勢は、もう1人の被害者・Bさんへの犯行にも続いていく。
仕事のミスが続いたBさんにも「罰ゲーム」の魔の手が
Bさんはカードショップに客として出入りしており、ある日、店の手伝いをすることになった。しかし、Bさんはその初日に店の売り上げに手を出してしまう。謝罪して警察沙汰にはならなかったが、その後も金銭トラブルや、被告人らが紹介した仕事に無断で行かなくなることが続き、3人の被告はBさんにストレスを溜めていったという。
こうした出来事に対し、裁判でBさんの言い分は明らかにはなっていない。確かに被告人らに対する不義理はあったのかもしれない。しかし被告人らは、話し合いや法的に対処するのでなく、罰ゲームと称した各種の暴力行為を行うようになっていく。
店の従業員ではなく、あくまで手伝いの立場であったBさんは、次第にミスすると怒鳴られ、殴る、蹴るなどの暴行を受けるようになっていった。さらに行為はエスカレートし、冬に冷水のシャワーを浴びさせる、鼻や舌にまでピアスを開けるなどが、あくまで「罰ゲーム」として行われていく。
全裸になったBさんの男性器にアルミホイルを巻き付け……
耳を疑うような犯行も行われた。Bさんの男性器にアルミホイルを巻き、感電させたのだ。
ある日、店の前で橋本被告がBさんの髪をバリカンで独特な髪形に刈り上げる行為を行ったあと、店内に戻ったBさんに対して被告人らは「髪の毛がついた」などと因縁をつけて全裸にした。そこで被告人ら3人は、ネット上で見つけた「感電を実践する人物」の動画を思い出し、Bさんにやらせることにしたという。
Bさんに動画を見せた上で、男性器にアルミホイルを巻き、その先端を二股に尖らせてプラグのような形状にして、コンセントに差し込むように促す3人。そのようすを竹内被告がスマートフォンで撮影しており、傍聴席にはその音声が流れた。
「そこに、2本とも入れるように」「離れろ離れろ離れろ」「(笑いながら)ヤバいこれ」と盛り上がる3人。なかなかBさんの動きが思う通りにいかず、少し間が空いた後、「もうちょっと尖らせろ!」「いけ!」「入った! 入った!」という声のあと、決して大きくはないがはっきりと「バチッ」という音が鳴るとともに「うわーーーーーー!」という被告らの残酷な歓声が法廷に響き渡った。
幸いにもこの行為でBさんにケガは生じなかったものの、2分ほどの音声の間、被告人らにためらう様子は一切うかがえなかった。Bさんに指示する声は暴力的、威圧的と感じるものではなかったが、それがゆえに3人に罪悪感がないことを浮き彫りにしていた。
なお、橋本被告はこの結果に満足できなかったとして、直後にBさんを店外に連れ出し、Aさん同様に足にアルコールを噴霧し、火をつける暴行も行っている。
まるで遊びのように、AさんとBさんに残虐な行為を続けた3人の被告。続く記事では、人糞を食べさせるというさらにおぞましい犯行のようすや、被告やその家族らの法廷での様子をお届けする。
〈 「はい、ごっくん」「何味?」自らの排泄物を“罰ゲーム”として食べさせ…大阪トレカ店“鬼畜リンチ犯”たちが法廷で言い放った呆れた主張 〉へ続く
(普通)
東北道で乗用車が中央分離帯に衝突 20代の2人が死亡
22日午前5時ごろ、宮城県大崎市古川新沼の東北自動車道上り線で、岩手県北上市藤沢の団体職員、畑山勇人さん(23)運転の乗用車が中央分離帯に衝突した。畑山さんと、助手席にいた同県紫波町草刈の会社員、阿部大希さん(23)が頭を強く打ち死亡した。
宮城県警高速隊によると、現場は片側2車線の見通しのよい直線。畑山さんの乗用車が前を走っていた車を追い越した後、走行車線左側のガードロープにぶつかってはじかれ、車線をまたぎ中央分離帯に激突したとみられるという。追い越された車も止まりきれずに追突したが、運転していた女性にけがはなかった。【百武信幸】
南海・白鷺駅で走行中列車と衝突、男性死亡 はね飛ばされた男性と接触しホームの女性軽傷
22日午後1時55分ごろ、南海高野線白鷺(しらさぎ)駅(堺市北区金岡町)で、40代の男性が列車にはねられ、心肺停止状態で搬送されたが、死亡が確認された。男性はホームにはね飛ばされ、20代の男女にぶつかり、女性が転倒して頭を地面に打ち付けるなどして病院へ搬送されたという。
大阪府警北堺署などによると、死亡した男性は白鷺駅を通過する列車に自ら飛び込んだとみられる。男性が車両の先頭と接触した際に、運転席の窓ガラスが割れ、運転士の男性も軽傷を負った。乗客2人が体調不良を訴えた。
南海電鉄によると、高野線堺東―河内長野の上下線で一時運転を見合わせたが、午後3時半に再開した。
スポーツクラブバスが中央分離帯に衝突 中学生9人がけが 九州自動車道・栗野インター付近
九州自動車道で22日午前、スポーツクラブの大型バスが中央分離帯に衝突し、乗っていた中学生9人がけがをしました。
鹿児島県警によりますと、22日午前9時半ごろ、九州自動車道の栗野インターとえびのジャンクションの間の上りで、県内のスポーツクラブの大型バスが中央分離帯に衝突しました。
大型バスには、運転手とスポーツクラブに通う中学生17人の合わせて18人が乗っていました。
このうち中学生9人が病院に搬送され、1人がけがをしたほか、ほかの8人が打撲などの軽いけがをしました。
現場は2車線で、大型バスは追い越し車線を走行中に中央分離帯に衝突したとみられ、警察で運転していたスポーツクラブの従業員の68歳の男性から話を聞くなどして、事故の原因などを調べています。
茂木外相、ホルムズ海峡への自衛隊派遣「停戦状態になって機雷が障害だという場合に考える」
茂木外相は22日のフジテレビ番組で、事実上封鎖されているホルムズ海峡での機雷を除去するために自衛隊を派遣する可能性について問われ、停戦後に検討するとの認識を示した。「日本の機雷掃海の技術は世界最高だ。停戦状態になって機雷が障害だという場合には考えることになる」と述べた。
茂木氏は米ワシントンで19日に行われた日米首脳会談に同席した。自衛隊派遣を巡り、茂木氏は「具体的に約束をしたり、宿題を持って帰ってきたりしたことは全くない」と強調した。日米首脳会談で日本側から「アラスカ産原油を倍増するために日本も投資する」と伝えたとも明らかにし、「かなりトランプ大統領に響いた」と語った。
製材所で火事、被害は計10棟に 福井・あわら市
22日未明、福井県あわら市で製材所や隣接する住宅などを全焼した火事で、周辺の建物の部分焼などを含めると被害はあわせて10棟に及んでいることがわかりました。
警察と消防の調べによりますと22日午前0時10分ごろ、あわら市二面の島﨑製材所から火が出て、木造2階建ての事務所兼作業場と木造平屋建ての倉庫を全焼しました。
また製材所と隣接する住宅や飲食店などにも燃え移り、あわせて5棟が全焼しました。火はおよそ10時間後に消し止められましたが、周辺の建物の部分焼なども含めるとあわせて10棟に被害が及んでいます。
これまでの調べで火が出た当時、製材所には誰もいなかったということで、警察と消防では実況見分をして火事の原因を詳しく調べています。
高市首相ワシントン同行記者が見たウラ側 熱烈ハグ「ドナルドだけ」までの激動5日間
イラン情勢が緊迫化する中、日米首脳会談まで残り5日となった3月14日。日本政府を揺るがしたのは、トランプ大統領の「日本にも艦船派遣を期待する」との投稿だった。高市首相は、「憲法の壁」を背負いながら、いかにしてトランプ氏の懐に飛び込んだのか。政府専用機内でも重ねた推敲、ホワイトハウスで見せた熱烈ハグ、そして会談冒頭で放った“決めゼリフ”。高市外交の舞台裏を解説する。(政治部官邸キャップ・矢岡亮一郎)
3月14日午後11時4分、トランプ大統領の投稿が、太平洋を隔てた日本政府関係者にも衝撃を与えた。
One way or the other, we will soon get the Hormuz Strait OPEN, SAFE, and FREE! President DONALD J. TRUMP
いずれにせよ、我々はまもなくホルムズ海峡を「開放」し、「安全」で「自由」な状態にする! ドナルド・J・トランプ
Hopefully China, France, Japan, South Korea, the UK, and others
トランプ氏は投稿時、とりわけ声高に主張する際、大文字を好んで使う。日本を名指しして、イランが事実上封鎖するホルムズ海峡を開放し、安全で自由な航行ができるよう、強く求めた。
そもそも当初は、トランプ氏の中国訪問を前に「日本政府の中国への立場を改めて打ち込みに行く(外務省関係者)」ことが首脳会談の主眼だった。イラン情勢が緊迫化しても、3月上旬の段階である政府関係者は「日本が特別に貢献を求められる感じはない」と語っていた。
通常の日米首脳会談は、事務方がシナリオを描き、当日は大統領と首相による“セレモニー”になることが多い。しかし、トランプ大統領の投稿で、そのシナリオは一気に練り直しを迫られることとなった。政府関係者の一人はこう唸った「前代未聞の日米首脳会談になる」。
16日午後6時、首相官邸に、7時間の国会出席を終えた高市首相と官邸・外務省などの幹部が集まった。かつて安倍外交を牽引し、高市首相の信頼も厚い秋葉内閣特別顧問も加わった。この会議で「法的に出来ること出来ないことをしっかり伝える」との大方針が固まった。
出席者によれば「とにかく耐えるしかない」との意見も出たという。翌日の国会で高市首相は「法的に可能な範囲で何ができるか、精力的に政府内で検討している」と答弁した。
ところが。日本政府が出来うる対応の洗い出しに必死になる中、18日午前0時18分、トランプ氏は一転「支援は必要ない」と表明する。NATOなどから思い通りの協力を引き出せなかったからか、“逆ギレ”したかのような投稿だった。これに日本政府関係者からは「撤回とは全く思っていない」「トランプ流の駆け引きの一環かもしれない」との受け止めが相次いだ。
この日、高市首相は朝10時から国会での予算審議に約5時間出席。官邸に戻ると午後6時前からシンガポール・ウォン首相との首脳会談に臨み、合間には訪米前の打ち合わせもねじ込んだ。そして夜、10時12分、いよいよ高市首相を乗せた政府専用機が日本を出発した。
機体が水平飛行に入ると、ほどなくして首相は、随行員・記者団が座る機体後方に姿を見せた。外国訪問に向かう首相が、出発後の機内で挨拶に回ることは慣例。笑顔で一人一人と目を合わせ、リラックスした表情で「テレビで見てますよ」などと記者に語りかける場面もあった。
高市首相はこの後、国益をかけた首脳会談に向け、スイッチを切り替える。ワシントン近郊の空軍基地まで約13時間のフライト。機内の個室で、トランプ大統領に語りかける自身の原稿に、ペンを入れたという。首相は、国会答弁や自身の演説にじっくりペンを入れるこだわりを持つ。何をトランプ大統領に語りかけるべきか、機内で寸暇を惜しんで推敲を重ね、後述する“決めゼリフ”も固まった。
18日米東部時間午後10時前、政府専用機がアンドルーズ空軍基地に到着。実はこの機中で、ホワイトハウス側からの最新情報が首相一行に入った。当初、提案があったワーキングランチ(昼食会)と晩餐会の2回の食事のうち、ワーキングランチは取りやめるとの意向だった。
大統領の日程は“奥の院”と言われる首席大統領補佐官が管理する。内政から外交までを統括し、政権運営は内政中心に動く。外交日程は、直前まで確定しないことも多い。
当初、午前11時15分から45分までの30分間予定だった首脳会談を、1時間予定していたワーキングランチを取りやめることで拡大、首脳会談を当初の3倍の1時間30分かけて行いたいとの米側の申し出だった。政府関係者によれば、トランプ大統領の強い意向が働いたという。
首相周辺は「食の細い高市首相にとって、ランチ取りやめはラッキーだった。お陰で投資案件についても十分に話せた」と振り返る。高市首相は午後10時半すぎ、ホワイトハウスに隣接する要人の宿泊施設「ブレアハウス」に入った。
19日午前11時9分、高市首相は車列でホワイトハウス敷地内に到着。大統領警護隊が慎重にドアを開けると、出迎えたトランプ大統領に駆け寄ってハグをした。両手を広げて抱擁するトランプ大統領。首相周辺は「総理のハグを見た瞬間に、成功したと思った」と振り返った。
午前11時37分「オーバル・オフィス」と呼ばれる大統領執務室。暖炉の前に並べられた椅子に、トランプ大統領と高市首相が腰掛け、首脳会談がスタート。記者団は部屋の外で待機させ、招き入れるまでの5分間、トランプ大統領は、高市首相に、衆院選での圧勝を称える言葉を贈ったという。
11時42分、米メディア・日本メディアの記者やカメラマンが執務室になだれ込む。トランプ大統領は会談冒頭、カメラに向けて自由に発言することも多い。果たして自衛隊派遣要請はあるのか、注目の「冒頭撮影」が始まった。
しかし、ここでもトランプ氏は再び、高市首相の“選挙大勝”を称えた。「私が支持を表明していたことを大変誇りに思う」。トランプ氏は日本の衆院選の期間中、自身のSNSに高市首相を支持する投稿をしていたが、それが高市首相を歴史的大勝に導いたと言わんばかりに賞賛した。「非常に人気があり、力強く、素晴らしい人物だ」
これに呼応するように、高市首相は、機内で練り上げた決めゼリフを紡ぐ。「世界に平和と繁栄をもたらすことができるのは、ドナルドだけ。きょう私はそれを伝えにきた」。トランプ氏は、満面の笑みを返した。
カメラの撮影が始まってから、10分ほど。大統領は「Any Question?」と記者に質問を促した。日本政府が、最も警戒する時間帯に入る。米メディアの記者は、すかさず核心に迫った。「掃海艇も含めて、イランの問題への日本の支援に満足しているのか?」。
するとトランプ大統領は「彼らは本当に役割を果たそうとしてくれている」さらに「NATOとは違って」と日本を評価してみせた。トランプ大統領が、ホルムズ海峡への艦船派遣で否定的見解を示した欧州各国と、「法的にできることを検討する」とした日本への評価を鮮明に分けた瞬間だった。
公開された約30分間でトランプ大統領は日本に「日本のより積極的な貢献に期待する」とも述べた。カメラ退出後、会談の出席者によれば、高市首相は“正式な停戦合意までは自衛隊の派遣は難しい”との認識を伝え、トランプ大統領も日本側の説明に理解を示した。また複数の政権幹部は、高市首相が自衛隊の派遣は難しいと説明する際に、憲法9条の制約にも触れたという。
ただトランプ大統領は会談後、米FOXニュースの取材の中で「日本には憲法上の制約がある」としつつ「アメリカが必要とあれば支援してくれるだろう」「日本はNATOよりも優れた同盟国だ」とまで語り、日本の「貢献」に強い期待感を示している。
政権幹部の一人は語る。「この戦争は大失敗だ。イランの体制転覆なんて無理なのだから、早く収めた方が良い」「いま日本が考えなければならないのは、今回の戦争は、日本としてアメリカ・イスラエルと一緒に戦うべき戦争なのか。協力すべきなのか。そこを考えるべきだ。私は違うと思う」