共通テスト流出「試験業務そのもの妨害」 女子学生立件への経緯

1月に行われた大学入学共通テストの試験時間中に「世界史B」の設問を撮影した画像が外部に流出した問題は、関与を認めていた受験生の女子大学生(19)に加え、システムエンジニアの男性(28)が協力していたことが明らかになった。カンニング行為自体を罰する法令はなく、警視庁は慎重に捜査を進めていたが、偽計業務妨害容疑での立件に踏み切った。
偽計業務妨害罪は、飲食店に架空の注文をして商品を配達させたり、うその事件発生情報を110番したりするようなケースに適用される。捜査幹部は当初、「実際に業務がどの程度妨害されたかを明らかにしなければならないが、試験そのものは問題なく終了している。被害届も出ていない」と立件に慎重な姿勢を示していた。
だがその後、試験を実施した大学入試センター(東京都目黒区)から被害届が出され、警視庁が受理。検察当局などとも協議を重ねた上で、警視庁は最終的に「問題流出は決してあってはならないという前提の中で流出しており、試験業務そのものを妨害したことにつながる」と判断した。
同様のケースとしては、2011年に京都大の2次試験で問題をインターネット掲示板に投稿したとして、当時19歳の男子予備校生が偽計業務妨害容疑で逮捕された事件がある。この事件では、警察が捜査で予備校生を特定して逮捕した。今回は、女子学生が香川県警丸亀署に自ら出頭して関与を認めた。そのため、逃亡や証拠隠滅の恐れがないとして逮捕には至らず、任意での捜査となった。
捜査関係者によると、女子学生は大阪市内に住む大学1年生で、東京都内にある別の有名私立大への進学を目指していた。「今通っている大学は滑り止めで、納得できる大学に行きたいと思った」と説明。「不得意科目があって成績が振るわず追い詰められた。何とか今年は受かりたいと思い、苦肉の策でカンニングしようと思った」とも語り、深く反省する態度を示したという。【最上和喜、鈴木拓也、木原真希】