偽装アサリ問題「犯罪であり許さない」 熊本知事が漁協など視察

中国などから輸入されたアサリが「熊本県産」と偽装して販売されていた問題で、熊本県の蒲島郁夫知事は16日、天然の熊本県産アサリの保護に取り組んでいる同県宇土市の漁協などを視察した。蒲島知事は「本当の熊本県産アサリが正しく評価されるために、偽装アサリに立ち向かっていく」と決意を語った。
農林水産省の2021年の調査で、熊本県での漁獲量を大幅に上回る量のアサリが「熊本県産」と表示されて全国に流通していたことが判明。産地偽装されたアサリをあぶり出すため、蒲島知事は今月8日から2カ月程度の県産アサリの出荷停止を県漁連に要請した。
熊本県は、偽装アサリの多くが下関などから輸入されて熊本県を全く経由せずに流通した他、一部は熊本県の浜辺にある「蓄養場」に短期間置かれただけで「熊本県産」と表示されて販売されたとみている。
蒲島知事は、同県玉名市の蓄養場を視察。担当職員から、アサリを蓄養場に長期間置き続けるのは生育環境から考えて難しいと説明を受けた知事は「まさに一時保管だ」と語った。
その後、蒲島知事は、天然の熊本県産アサリの保護に取り組んでいる同県宇土市の網田(おうだ)漁協へ。海にいるアサリの幼生から母貝を育てている漁協の浜口多美雄組合長は「知事の力でアサリの偽装をやめさせてほしい。そうすれば私たちが本物の熊本県産アサリを出荷する」と訴えた。
視察後の取材に蒲島知事は「天然アサリの資源を回復する大変さや、漁業者が偽装アサリで痛手を負っていることが分かった。偽装アサリは犯罪であり許さない」と語った。【中村園子、吉川雄策】