ウクライナ出身で東京・三鷹市に住む民族楽器「バンドゥーラ」奏者のカテリーナさん(35)が21日、首都キエフから避難し来日した母のマリヤ・グジーさん(68)と羽田空港で再会を果たした。
母と娘、2人の泣き声が到着ロビーに響き渡る。マリヤさんが6日にキエフから避難してから約2週間。鉄道やバス、時には徒歩で移動し、隣国ポーランドへ脱出。シェルターを転々としながら、遠く離れた日本にたどり着き、親子は力強く抱きしめ合った。
報道陣の取材に応えたマリヤさんは「日本の皆さんに応援していただき、待っていただき、感謝しております。(ウクライナで会って以来)3年ぶりに娘と孫に会えた。本当に今すごくうれしい」と穏やかな表情で率直な思いを話した。
この日、カテリーナさんはウクライナの民族衣装に身を包み、息子の凌磨くん(12)とともに空港に向かった。道中、マリヤさんが好きだという花束も買った。午後2時15分頃、羽田に到着したマリヤさんは入国に必要な手続きをし、4時間後の午後6時すぎに再会。カテリーナさんは「やっと会えた。これからママを守っていきたい。近くにいるので安心」と涙の中に笑顔を見せた。
それでも、いまだ、ウクライナにはカテリーナさんの姉2人の家族や親戚がいる。マリヤさんは「ウクライナには自由がある。ウクライナという国として生きていくこと、戦争が絶対に終わることを願っている」と話したが、「私が帰れるかは体調次第…」と帰国については難しさも感じている。
日本での今後の暮らしについて尋ねられると、カテリーナさんは「何も考えないで、ゆっくりしてほしい」と答え、マリヤさんは「カレーとお鍋が食べたい」とわずかに笑みを浮かべた。 マリヤさんの手には、ウクライナの国旗と同じ、黄と青の花束。車いすに乗りながら「スラーヴァ・ウクライニ!(ウクライナに栄光あれ)」と叫ぶと、カテリーナさんが「ヘローヤム・スラーヴァ!(英雄たちに栄光あれ!)」と応じていた。(瀬戸 花音)