ロシアの侵攻を受けるウクライナのコルスンスキー駐日大使は28日、大阪市議会でオンライン演説し、避難民の受け入れや生活支援の募金活動などに謝意を示した上で「地方自治体レベルでの協力関係が必要だ」と述べ、東部ドニプロ市と大阪市、大阪府との都市提携を要請した。
コルスンスキー氏は約15分間の演説の冒頭、「非常につらい時期に直面しているが、日本の皆さんがウクライナとともにあることは非常にうれしい」と語った。今回の侵攻では病院や学校が攻撃され、女性や子供、高齢者が犠牲となっているとして「大量虐殺だ」と批判。800万人以上が国内で避難を強いられていると報告した。
コルスンスキー氏はまた、ドニプロ市の市長が「昔から日本のファン」と明かし、府市とパートナーシップを結べないかと提案。「府市にとって非常に強力でダイナミックなパートナーになる」と強調し、具体的な検討を要請した。
演説は本会議場でテレビモニターを通じて行われ、松井一郎市長や市議らが視聴。演説後は拍手を送った。吉村洋文府知事らも府庁で視聴した。
松井氏は記者団に、パートナーシップ締結の要請について「復興の応援をしてほしいという意味だと思う。相手のニーズに合った形で府市でパートナーシップを結びたい」と述べた。