覚醒剤使用で起訴の被告に無罪判決「重大な違法捜査の疑い」 大阪地裁

覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた兵庫県の男性被告(57)に対し、大阪地裁は25日、無罪(求刑・懲役3年)を言い渡した。渡部市郎裁判長は、覚醒剤が入った袋を見つけたとする近畿厚生局麻薬取締部の家宅捜索について「重大な違法捜査が行われた疑いがある」と指摘した。
被告は2017年10月、自宅で微量の覚醒剤を所持した疑いで取締部に現行犯逮捕された。採尿で覚醒剤反応が出たため、使用した罪だけで起訴されていた。
検察側は、取締部が被告の自宅を家宅捜索した際、洗面所から覚醒剤入りの袋を発見したと主張。男性は使用を認めたが、弁護側は「取締部の捜査官が家宅捜索の際に袋を持ち込んだ」として、無罪を求めていた。
判決は、捜索が始まった直後に洗面所で撮影された写真には袋が写っていなかった点を重視。捜索開始から1時間半後に袋を見つけたとする主張も不審だとして、違法捜査の疑いがあると判断した。
尿の鑑定書についても「違法捜査と密接に関連する」と指摘し、証拠と認めなかった。
被告の弁護人は「当然の判決で、捜査機関には証拠管理の徹底を求めたい」と話した。
大阪地検は「判決内容を精査し、適切に対応する」としている。取締部は取材に回答しなかった。【戸上文恵】