スペイン・ゲルニカが史上初の無差別爆撃をナチス・ドイツから受けてから85年の26日、被爆者団体「長崎県被爆者手帳友の会」の朝長万左男会長(78)が、ゲルニカ爆撃を生き延びたスペイン人のルイス・イリオンドさん(99)と共同で、ウクライナに侵攻するロシアに抗議文を送った。
「市民を犠牲にする戦争は、決して正義の戦争と判断されることはない」などと訴える文書を在日、在スペインの両ロシア大使館に送った。
朝長会長は長崎市で記者会見し、米国の原爆投下やゲルニカ爆撃と同様に市民虐殺の疑いもあるロシアの侵攻を「歴史に逆行し、ナチスの蛮行を思い出させる」と非難。ルイスさんもビデオメッセージで「戦争で苦しんだ私たちから彼らは何も学んでいない。ゲルニカから訴える。戦争は絶対にだめだ」と語った。
友の会は2012年に故・井原東洋一(とよかず)前会長がゲルニカを訪問して以来、爆撃体験者と共同でシリアへの攻撃回避を米国に要請したり、北朝鮮の核実験に抗議したりしてきた。朝長会長も17年にゲルニカを訪れ、ルイスさんと交流した。【中山敦貴】