ロシア軍の侵攻から逃れるため、日本に避難してきたウクライナの母子3人が千葉県の市原市役所で住民登録を行い、市民となった。母親は「働きたい」と希望しており、11歳と5歳のきょうだいは今後、幼稚園や小学校で学ぶ。言葉の問題を抱える3人に、市は就労や就学を「全力でサポートする」(小出譲治市長)としている。
姉「お願い、来て」
市原市民の仲間入りをしたのは、首都キーウから逃れてきた母親のサドブニク・オレナさん(45)、長女のバシレチューク・マリーアさん(11)と長男のオレクサンドラ君(5)。3人はポーランドなどに約2カ月間避難していた。夫のセルゲイさん(45)や義父母は、今もウクライナにとどまる。
日本人と結婚して市原市に暮らすオレナさんの姉、タチアナさん(49)を頼って、7日に来日した。「戦争がなかなか終わらない。お願い、お願い、来てください」。タチアナさんがそう懇願したという。市は9日に1人10万円の支援金を支給した。
3人は17日、住民登録を行った後、小出市長と懇談した。「何か困ったら、すぐ声をかけて」。市長からはそう話しかけられた。その後、通訳役のタチアナさんとともに取材に応じた。
「ニュースを見て泣いている。とても心配している。戦争が早く終わってほしいと毎日、寝る前に神様にお祈りしている」とオレナさん。「みんなやさしくて、とても明るい。今は、安全なところに来られて、とてもうれしい」。市原の印象をそう語った。
「友達たくさんつくる」
長女は夏休み明けに小学校へ、長男は来月から幼稚園に通う予定だ。「日本語がわからないので、3人で日本語を勉強したい。それが一番大事」。オレナさんは、日本語習得への不安ものぞかせた。市は地元の国際交流協会の日本語教室での学習の場を提供する。
母子は市が用意した住宅で生活を始める。「まずは子供たちのことを考え、幼稚園と小学校に入れてから、仕事に行きます」とオレナさん。仕事はまだ決まっていないという。長女や長男は「友達をたくさんつくりたい」と話した。
小出市長は「ウクライナの状況を聞き、戦争の恐ろしさを実感した。でも、2人の子供が暗い顔をしていなくて安心した。市原で落ち着いた生活を送っていただけるよう全力でサポートする」とコメントした。
千葉県によると、18日時点でウクライナから37世帯60人が県内に避難している。