今夏の参院選で東京選挙区(改選6)に無所属で出馬を表明している作家の乙武洋匡氏(46)が21日、地元の東京・世田谷区用賀で初の街頭演説を行った。
乙武氏は雨の中、70人ほどの聴衆を前に、「初めてでめちゃくちゃ緊張しています。正直どきどきでした。でも、こんなに多くの方々が集まって下さってる。もう感激です。ありがとうございます。用賀を選んでよかったです」と安堵(あんど)の表情を見せた。「そもそもこういうのって何分くらいやるものなのでしょうか。全く初めてなので何も分かっておりません」と手探りの中だったが、聴衆の中には同級生や、同級生の親などの姿も。「もっと閑散とした中で空に向かってしゃべるイメージをしてきていた」という乙武の心配も無用だった。
演説では「選択肢がいっぱいある社会」について改めて訴えた。また、聴衆から質問も募った。憲法改正について問われると、「私自身は(改憲と護憲の)真ん中の立場。しいて言葉をつけるとしたら改憲容認派というべきでしょうか」と回答。「必要性が認められたら憲法を変えていくこともあっていいと思っています。ただ、今、この状態で変えることありきで議論が進むことは反対です」と考えを話した。
演説後に囲み取材に応えた乙武氏は「これまでの講演会のような場は私の話を聞きたいと思って足を運んで下さる方がほとんどですが、今日はたまたま通りがかった方にお話をさせていただくということで、巻き込み力、空気を作っていく大切さは感じた」と感想を述べた。
今後の演説の場所については、高田馬場、早稲田などのホームタウンの名も挙げつつ、「逆に46年間都民をやっておきながら、まだ行ったことのない地にも行ってみたい。楽しみです」と展望を明かした。