今年に入り、滋賀県内の特殊詐欺被害額が急増している。4月末までの被害は約1億円にのぼり、前年同期比でほぼ倍増している。1人当たりの被害が高額化していることもあり、県警は注意を呼び掛けている。
県警によると、被害で目立つのが架空請求詐欺だ。4月までで16件、約5800万円の被害が発生。全体の被害総額の半分以上を占めており、昨年1年間の架空請求詐欺の被害額(約6600万円)に迫っている。今年は1人の被害者が多額の被害に遭っているのが特徴となっている。架空請求のメールに反応した人が繰り返し何度も金銭を請求されるケースがみられる。
長浜市の60代の無職男性は3月、架空料金詐欺で計約1400万円の被害に遭った。長浜署によると、男性は携帯料金が未払いとのメールが届き、記載された番号に電話すると、サポートセンターを名乗る男に「個人情報が漏えいしていて1年間料金が未払いだ」と言われた。その後、弁護士や検察官などをかたる電話からさまざまな名目で料金を請求され、指定された口座に計24回にわたり金銭を振り込んだ。
県警生活安全企画課は、携帯電話の迷惑メール防止の設定を推奨しており、同課の安田恵介総括管理官は「身に覚えのないメールが来たら、相手に連絡せず、家族や近所の人、警察に連絡を」と呼び掛ける。【菅健吾】