大学入学共通テストの受験生が試験中に問題を外部に流出させた事件を受け、文部科学省は30日、試験中の巡視強化や、不正行為について警察に被害届を出す可能性を受験生に周知することを盛り込んだ大学入試の実施要項案をまとめた。ただ、不正行為を行った受験生への罰則強化や、会場への電波遮断装置の導入は見送りとなる見込みだ。
30日に大学や高校関係者らによる協議会の非公開会合が開かれ、文科省が共通テストを含む大学入試の実施要項案を示した。6月上旬に公表される予定だ。
1月の事件では、女子受験生が試験会場で問題文をスマートフォンで動画撮影し、インターネットで協力者の男と共有。男が静止画に切り出して外部に送って解答を得たとされる。
文科省は事件後、こうした不正行為への対策を検討してきた。受験生に対して「次年度の出願を認めない」とする罰則も一時検討したが、年度を越えて受験機会を奪うことへの懸念から見送った。スマホの電波を遮断する装置の導入についても、全国の共通テスト会場に配備すると毎年約100億円かかるとの試算を受け、見送る方針となった。
同省は、不正行為を抑止する狙いから、要項には、不正行為をした場合、警察に被害届を出す可能性があることを受験生に周知することを盛り込んだ。
また、監督者に試験中の巡視強化も求める。受験生の手の位置や目線など、巡視時に注意が必要な観点を監督者に周知し、チェックを強化する。