「第二の議員報酬」とも称され、全国の地方議会で不正使用が後を絶たない政務活動費(政活費)。税金が原資で、「見える化」が法律で求められているのに、議員の使い道を調べようにも、インターネットで肝心の領収書にアクセスできない議会がある。議会の議論は遅々として進まず、情報公開に熱心な自治体とは差が開くばかりだ。
全国の自治体が議員や議会の会派に交付する政務活動費(政活費)を巡り、領収書をインターネット上で公開する都道府県議会は京都など22都府県に上り、滋賀など25道県が非公開としていることが、京都新聞社の取材で分かった。専門家は、県民らが税金を原資とする政活費が何に使われたのかを容易にチェックできない点を問題視する。
地方自治法は政活費について「透明性の確保に努める」と定め、国会での法案審議でも「国民の批判を招くことのないよう」と透明化を促す付帯決議が付けられた。ネットで非公開の自治体では、議会事務局などに出向いて閲覧するか、情報公開制度での写しの交付請求が必要で、手間や費用がかかる。
滋賀県議会のホームページで公開しているのは、各会派と各議員の政活費の費目別支出額や残余額、主な支出内訳が記された収支報告書のみ。領収書は非公開であるため、議員による個別の調査研究や広報活動の経費、事務所の家賃や人件費に関する具体的な支払い額や支払い先の詳細はネット上で確認できない。
6月1日に2021年度分の政活費に関する定期公表があるが、同様の対応となる。県議会事務局は「あくまで議員が決めること」とし、県議会の岩佐弘明議長は「(公開化の)議論を拒んでいる訳ではない。県民から要望がなく、現状のままでいい」との認識を示した。
領収書をネット非公開とする自治体の議会は「職員が使途の適正さを十分チェックしている」(広島県)▽「紙の閲覧は可能だから」(香川県)▽「ネット公開に伴う事務作業が問題」(熊本県)-などと説明する。
一方、ネット公開している自治体の多くは、議員による不正利用の発覚や市民の陳情を受けて制度の見直しを進めている。
兵庫県では、カラ出張や商品券の購入など多額の不正利用が発覚し「号泣会見」で話題となった元県議の事件を契機に、2016年から領収書などの全面ネット公開を開始した。領収書の偽造など政活費を巡る不祥事で県議3人が辞任した富山県は17年に公開へかじを切った。
京都府も19年から「政活費の役割を府民に理解してもらうため」として領収書をネット公開している。
このほか、「住民の利便性向上のため」(島根県)▽「情報公開請求や住民監査請求が毎年あり、議会で議論を重ねた」(福井県)▽「県民への説明責任のため」(三重県)-などの声があった。現在は非公開の山形と神奈川の2県は、24年度までに公開する予定という。