“コメント多く”実績のブリーダー 柴犬の輸出で書類偽装か…7年前取材で見せた素顔

6月1日から犬や猫をブリーダーやペットショップから購入する際、「マイクロチップ」の装着・登録が義務化されました。そんな中、そのマイクロチップを資格なく不正に装着し、書類を偽装して輸出していたといて、大阪のブリーダーが逮捕されました。 6月7日に偽造有印私文書行使の疑いで逮捕された泉佐野市のブリーダー・井原渉容疑者(50)。 去年6月、柴犬2匹をブルガリアに輸出した際に、義務化されているマイクロチップの装着などを証明する書類を実在する動物病院が作成したように装って検疫所に提出した疑いが持たれています。 マイクロチップの装着には獣医師免許が必要ですが、警察によりますと、井原容疑者は無免許でマイクロチップを犬に装着していた疑いもあるということです。 井原容疑者のものとみられるホームページには、犬を購入した客からのコメントが数多く寄せられていて、ブリーダーとしての実績がうかがえます。 実は7年前、MBSは井原容疑者を取材していました。 (逮捕前の井原容疑者) 「(Qこの子が紀州犬?)そうです。(Qもともとはどういう犬なんですか?)もともとはイノシシを獲りに行く猟犬として飼われていた犬。(Q紀州犬を家で飼う時に何か気を付けた方がいいことは?)甘噛みしてきて悪いことをした時はちょっと強く怒るとかして人間との上下関係を分からせといたら、そう歯向かってくることはないと僕は思うんですけど」 和歌山県が原産の「紀州犬」の飼い方のコツを説く井原容疑者。10年ほど前から日本犬を輸出していたということですが、いったいなぜ、犯罪行為に手を染めたのでしょうか。 直径2mm、長さは12mm程度のチップ。井原容疑者はこうしたマイクロチップを無免許で犬に装着していたとみられています。マイクロチップには識別番号が登録されていて、飼い主の名前や住所が紐付いています。いわばペットの“身分証”です。飼い主をたどれることで飼育放棄などを防ぎ、殺処分を減らすことが狙いだといいます。 海外の多く国ではマイクロチップの装着が義務付けられていて、日本でも6月1日からペットショップなどで販売される犬や猫に対して装着が義務化されています。 (検疫第一課 酒井輝明さん) 「輸出検査に来られた方はこちらの扉から入っていただくことになっています」 関西空港の動物検疫所では、輸出前の動物の健康チェックを行っています。輸出する業者は獣医師が発行した書類を提出する必要があるといい、井原容疑者はこの書類を偽って作成した疑いで今回、逮捕されました。 (検疫第一課 酒井輝明さん) 「記載内容に不具合があればですね、動物検疫所の方から獣医さんに『こういったわんちゃんが来ましたか?』という確認をとらせてもらうケースもございます」 井原容疑者は去年12月、この検疫所に輸出しようと柴犬を持ち込んだものの、マイクロチップが読み取れず事件が発覚したということです。 そもそも、マイクロチップの装着は専用の注射針を使って行われる「獣医療行為」。施術できるのは獣医師などに限られます。 (フレックス動物病院 會田裕子院長) 「動物の首のちょっと後ろあたりにこれを挿入して、抜いてしまったらマイクロチップが中に残るということになります。(専門でない人が行うと)感染症のリスクがあるかなというのと、筋肉や神経に損傷をおこす可能性はあるかなと思います」 無資格で獣医療行為が行われていたことについて、飼い主たちに話を聞きました。 (犬を散歩する人) 「(Qマイクロチップは入れました?)はい、入れました。(Q資格がない人が挿入しているのはどう思う?)それはちょっと危ないですよね、怖いかなと思います」 「医療行為を素人がするのは本当に危ないことだと思ますね。人間と同じだと思いますけどね」 「安くてもそれはとても頼まれへんね、医者じゃなかったらね。あってはいかんことやな」 マイクロチップの装着も自ら行っていたという井原容疑者。獣医師にマイクロチップの装着などを依頼した場合は1万5000円ほどがかかるといいますが、警察の調べに対して「経費負担を軽くするために自分でマイクロチップを装着した」などと供述しているとていうことです。 警察は井原容疑者の関係先からマイクロチップ46本を押収していて、入手先などを詳しく調べています。