建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんや中皮腫などを発症した建設労働者やその遺族ら計約190人が7日、建材メーカーに損害賠償を求め、全国10都道府県の地裁に一斉提訴した。京都地裁にも建設労働者や遺族が訪れ、訴状を提出した。
アスベストによる健康被害を巡っては、昨年5月に最高裁が国の責任を認め、被害者への給付金制度が創設された。一方、メーカーとは各地で訴訟が続いており、メーカーの謝罪や早期解決のための和解などにつなげるため、全国一斉の提訴となった。
京都地裁では、肺がんや中皮腫を発症した京都府や兵庫県の建設労働者9人の本人や遺族が、建材メーカー14社を相手取り計約2億5740万円の損害賠償を求めて提訴した。
9人は、京都府内を中心に建設作業に従事した労働者で、全員が労災認定を受けている。建設アスベスト訴訟への参加は初めて。9人のうち2人はすでに死亡しており、残りの7人も55~76歳と高齢化が進む。
提訴後に京都市内で記者会見に臨んだ原告団長の端明さん(71)は「塗装をして55年になるが、当初は(アスベストが)危ないとも言われていなかった。昔からメーカーがしっかりやっていたら、こんなことにもならなかった。自分もいつまで元気でいられるか分からない。メーカーには謝ってほしい」と語った。
村山晃弁護団長は「メーカーにも責任があるという最高裁の司法判断が出ているのに、企業は今も救済のビジョンを示さない。審理が早急に進み、企業に社会的責任を果たさせることで被害者救済につなげていきたい」と訴えた。