福岡県
篠栗
(ささぐり)町で2020年4月、5歳の三男を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の
碇
(いかり)利恵被告(40)の裁判員裁判の第3回公判が8日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。公判では、共犯として起訴された知人について、碇被告が「本当に嫌だ」などとスマートフォンのメモに書き残していた一方で、迎合するようなSNSのやり取りがあったことも明らかになるなど、心の葛藤が浮き彫りになった。
碇被告側は、三男・
翔士郎
(しょうじろう)ちゃんに食事を与えないなどの虐待は、知人の赤堀恵美子被告(49)の指示だったと主張。赤堀被告から、子育ての姿勢や人格を否定される罵声を受けていたとも訴えている。赤堀被告は頻繁に碇被告宅を訪れており、起訴状などによると、碇被告ら母子4人は19年初め頃から、赤堀被告が提供する食べ物だけで暮らしていたとされる。
検察側はこの日の被告人質問で、碇被告が20年1~4月にスマホに残したメモを紹介。メモには赤堀被告について、「朝から罵声、罵倒。本当に嫌だ。精神的にダメになる」と記載され、「全部自分が正しいと思っている」などと不満が書き込まれていた。「ご飯抜きが5日目だね。早く食べたいよね」などと翔士郎ちゃんを心配する内容のものも残されていた。
一方で、検察側は、碇被告が翔士郎ちゃんの様子について、「犬みたいにパンにかぶりつく」「相変わらず無表情」などと、赤堀被告にLINEでメッセージを送っていたと指摘。「面白がっていたのか」と問うと碇被告は否定し、食べ物を得るためには、子どもに厳しくするよう求める赤堀被告に迎合する必要があったとした。
また、この日は、碇被告の元夫が検察側の証人として出廷。赤堀被告について、碇被告に寄り添う友人と思っていたと語った。長男と次男が事件後、碇被告に宛てた手紙に「(お母さんは)悪くない」などと書いていたことも明らかにした。