新型コロナウイルス対策の国の「持続化給付金」をだまし取ったとして東京国税局職員ら10人が詐欺容疑で逮捕された事件で、リーダー格で自称不動産業の松江大樹容疑者(31)が先週、弁護士を通じ「報道で自分がリーダー格と報じられているが、そうでないことを説明するために帰国したい」という趣旨の文書を警視庁に送っていたことが捜査関係者への取材で判明した。少年事件課は、松江容疑者ら中心メンバー4人の役割について詳しく調べている。
捜査関係者によると、松江容疑者は今年2月にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに出国し、現地で住民登録をしていた。しかし、今月2日に事件が報じられると、捜査拠点のある目白署に対し、自身はリーダー格ではないとの趣旨の文書を弁護士を通じて提出したという。文書は10日ごろに同署に届いた。少年事件課は13日に逮捕状を取り、同日夕に成田空港(千葉県)に到着後、逮捕した。逮捕直後は「弁護士が来てから話します」と供述したという。
松江容疑者以外の中心メンバーは、元大和証券社員の中峯竜晟(りゅうせい)(27)▽元東京国税局職員の中村上総(かずさ)(24)▽会社役員の浜口正太(26)の3被告で、いずれも既に詐欺罪で起訴されている。
捜査関係者によると、中峯被告は2019年1月ごろ、自身が開いていたオンラインの投資セミナーで、中村被告と知り合った。2人は、仮想通貨(暗号資産)関連の事業「マイニングエクスプレス」に投資しており、同事業を通じて松江容疑者や浜口被告とも付き合うようになったとみられる。
少年事件課は、松江容疑者らが同事業に投資する資金を得るためとうたい、「投資すれば個人事業主になるから給付金の申請は可能」「罪にならない」などとうその説明をして給付金の名義人となる若者を勧誘し、計約2億円を不正受給したとみている。
2億円のうち中心メンバー4人は1000万円ずつを受け取っていたとされる。残りの約1億6000万円は、「マイニングエクスプレスに投資する」と説明していた松江容疑者に渡ったとみられるが、実際に投資されていたかは確認されていないという。【高井瞳】