文科省が蓋をする「教師の非正規率」の衝撃実態 20%を超える勢いで上昇、自治体間で3倍の差

公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、一体何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第2回は、非正規教員が増える原因に迫る。 第1回:子供も親も知らない「卒業式にいない先生」の正体 第3回:学校だよりで募集をかける「教師不足」の深刻度(6月18日配信) およそ5~6人に1人が非正規教の教師――。この数を聞いた30代以上の人たちの多くは、「自分が子どもだった頃は、そんなに多くの非正規教員がいたように思わない」との印象を抱くだろう。 文部科学省が今年1月に公表した「『教師不足』に関する実態調査」によると、全国の公立学校における非正規教員の割合は17.82%であった(注)。10~20年前と比べて、公立学校の非正規率はどのように推移してきたのだろうか。 文部科学省は長年、教員の非正規率を公表してこなかった。データ自体は、教育委員会を対象に毎年度実施している「教職員実数調」からはじき出せる。しかし、数値の算出・公表はしてこなかったのである。この理由について、関係者の中には「非正規率の上昇という不都合な事実を認めたくないからだ」と指摘する人もいる。 非正規率は20%を超える勢い この文科省が教育委員会に対して実施している「教職員実数調」は、開示請求をすれば入手できる。このデータを入手して集計し、教員の非正規率の推移を算出しているのが、元教員や学校事務職員などで構成される「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」(調べる会)だ。 調べる会がデータを入手した2007年以降の14年分の非正規率を表したのが、下記のグラフだ。一目見て、公立学校教員の非正規化が顕著に進んできたことがわかる。直近の2020年の非正規率は17.0%となっており、この調子だと数年後に20%を突破してもおかしくない。 非正規率は、自治体別に見ると大きな差がある(下の図)。最も高い堺市では2020年の非正規率が20%に達しているのに対し、北海道や名古屋市、新潟県は7%を切っており、実に約3倍もの開きがある。 「自治体の財政力との相関関係を見るため、財政力指数と比較してみましたが、相関関係はほとんどありませんでした。この数値はすなわち、各自治体の政策だと捉えられます」 調べる会の事務局長を務める山﨑洋介氏はこのように話す。 非正規教員はなぜ増え続けてきたのか

公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、一体何が起きているのか。
特集「『非正規化』する教師」の第2回は、非正規教員が増える原因に迫る。
第1回:子供も親も知らない「卒業式にいない先生」の正体
第3回:学校だよりで募集をかける「教師不足」の深刻度(6月18日配信)
およそ5~6人に1人が非正規教の教師――。この数を聞いた30代以上の人たちの多くは、「自分が子どもだった頃は、そんなに多くの非正規教員がいたように思わない」との印象を抱くだろう。
文部科学省が今年1月に公表した「『教師不足』に関する実態調査」によると、全国の公立学校における非正規教員の割合は17.82%であった(注)。10~20年前と比べて、公立学校の非正規率はどのように推移してきたのだろうか。
文部科学省は長年、教員の非正規率を公表してこなかった。データ自体は、教育委員会を対象に毎年度実施している「教職員実数調」からはじき出せる。しかし、数値の算出・公表はしてこなかったのである。この理由について、関係者の中には「非正規率の上昇という不都合な事実を認めたくないからだ」と指摘する人もいる。
非正規率は20%を超える勢い
この文科省が教育委員会に対して実施している「教職員実数調」は、開示請求をすれば入手できる。このデータを入手して集計し、教員の非正規率の推移を算出しているのが、元教員や学校事務職員などで構成される「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」(調べる会)だ。
調べる会がデータを入手した2007年以降の14年分の非正規率を表したのが、下記のグラフだ。一目見て、公立学校教員の非正規化が顕著に進んできたことがわかる。直近の2020年の非正規率は17.0%となっており、この調子だと数年後に20%を突破してもおかしくない。

非正規率は、自治体別に見ると大きな差がある(下の図)。最も高い堺市では2020年の非正規率が20%に達しているのに対し、北海道や名古屋市、新潟県は7%を切っており、実に約3倍もの開きがある。

「自治体の財政力との相関関係を見るため、財政力指数と比較してみましたが、相関関係はほとんどありませんでした。この数値はすなわち、各自治体の政策だと捉えられます」
調べる会の事務局長を務める山﨑洋介氏はこのように話す。
非正規教員はなぜ増え続けてきたのか