反権力の立場で世相を斬る論客として知られたコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日午前6時43分、病気のため死去した。65歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。かつて小田嶋さんを取材した記者が故人を悼んだ。
小田嶋さんの取材場所は、いつも自宅近くの東京・赤羽のファミリーレストランだった。ふだんの毒舌コラムの印象とは違って、物静かな人。初対面の時に「『噂の真相』のコラムの愛読者でした」と伝えると「いやいや、あんなものを読んでいただいて…」と苦笑いされた。政治、事件、スポーツ、あらゆるテーマを投げかけても返ってくるコメントはユニークでありながらも本質的。スポーツ紙の社会面では重宝させていただいた。
今思えば愚問だが、あまりの博学ぶりに「普段はどうやって取材されるのですか」と尋ねたことがある。その時の答えは「いや、取材なんて全くしないですよ。取材記者ではなくコラムニストですから。人と会ってしまったらその人について思っていることが書けなくなってしまう」。あらゆる人物を徹底して等距離で語れる稀有(けう)な言論人だった。(甲斐 毅彦)