参加者たちは「眠剤遊び」と呼んでせき止め薬を次々口に入れ、大量の酒を流し込んでいた。
薬を大量に摂取して精神的な苦痛から逃れる「オーバードーズ」といわれる行為の末、昏睡状態に陥った女性をその場に放置したとして、医師の男ら3人が逮捕された。
■女性遺棄容疑で逮捕
保護責任者遺棄の疑いで25日、警視庁池袋署に逮捕されたのは、神奈川県川崎市の医師、斎藤浩一(48)、東京都中野区の無職、木村玲雄(24)、茨城県つくばみらい市の無職、水谷聡(33)ら3容疑者。当時、その場には逮捕された3人とは別の20代男性もいた。
医師の斎藤容疑者ら3人は、1年前の昨年6月11日午前8時ごろ、東京都豊島区のホテルの1室で添島亜祐美さん(当時38)がせき止め薬や酒を大量に飲んで昏睡状態になっているのに気づきながら、適切な救護措置を取らず、ほったらかしにした。
医師は添島さんの脈をチェックしたが、「すぐに起きるよ」と言い残し、午前8時過ぎにチェックアウト。残った3人は添島さんに呼び掛けたり、栄養剤を飲ませたが、夕方、ホテルを出た後に119番通報。添島さんは搬送先の病院で死亡が確認された。調べに対し、医師は「寝ていると思っただけ」と否認し、他の2人は容疑を認めている。もう1人の男性は体調を崩していて、任意で調べを続けている。
■医師はなぜ救護措置を取らなかったのか
「亡くなった添島さんがグループLINEをつくり、30人規模のメンバーがいました。メンバーはいずれも精神的に病み、自殺未遂経験者がほとんどです。その中からストレス解消の目的で5人が集まった。せき止め薬を大量に摂取すると、精神的にハイになる、アッパー系の興奮作用がある。医師と女性はもともと面識があり、男3人も知り合いだった」(捜査事情通)
5人はツイッターで連絡を取り合い、前日の午後8時前、医師を除いた4人が先にホテルにチェックインし、2部屋に入った。約1時間半後、1人で1室予約していた医師がやって来た。
「3室を利用して部屋を行き来したり、1つの部屋に5人が集まったりした。それぞれが持参したせき止め薬を大量に服用し、酒を飲む。その繰り返しでした。複数人で行うことで量を数え合って盛り上がり、楽しみを共有できるようです。40錠入りの瓶が空になっていましたが、その程度では中毒死にはならず、一晩で100錠以上飲んだとみています。医師はなぜ、救護措置を取らなかったのか。立場上、『眠剤遊び』がバレたら困るからなのか。残った3人は一応、救急車を呼んでいるので保護責任者遺棄に問えない可能性もある。逮捕までに時間がかかったのは、そういった事情もあるかもしれない。ただ、警察は別件での捜査もしています」(前出の事情通)
■大量摂取すると仲間から崇められる世界
この手の「遊び」は現実社会で人間関係に悩みを持つ者がSNSで居場所を見いだし、より大量の薬を摂取することで仲間から崇められるというのだから、恐ろしい世界だ。