国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で展示中止となった企画展について、リスク回避策などを条件に再開を提言する中間報告が出され、企画の趣旨は妥当とされながらも、展示手法など運営面には批判が集まった。
愛知県が設置した「あり方検証委員会」が提出した中間報告について、金井直・信州大教授は「作品に関する情報をしっかり提示しないと、展示そのものが成り立たない」と発言。再開には条件が必要との認識を示し、ほかの委員からも同調する発言があった。
展示方法については、〈1〉鑑賞に時間がかかる映像作品は、作家の真意が理解されにくく、別の会場で上映し、作家が意図を説明する機会をつくる〈2〉ガイドツアー方式で少女像の制作背景を説明する――など具体的に提案された。
また、少女像に関連するインタビュー多数を編集し、少女像の横で放送してはどうかという意見も出た。
これに対し、傍聴していた企画展の実行委員の一人は「私としては条件付き再開というのは受け入れがたい」と反発し、「再開を求めている海外の作家たちの理解は得られないのではないか」と批判した。
一連の言動に問題があったとされ、大村秀章知事から厳重注意された津田大介芸術監督は、再開へ向けての企画展実行委との今後の協議から外された。津田監督は県庁で急きょ記者会見を開き、「展示中止後、(企画展実行委に)私単独との協議は拒否されてきた」と述べ、信頼関係が崩れていたことを明かした。その上で、「中立的な芸術祭実行委が協議するということなので、より良い結果が出るのではないか」と話した。
大村知事から厳重注意を受けた点については、「細かいところには異論はあるが、厳粛に受け止めたい。辞任は求められず、厳重注意にとどめていただいたと思っているので、身を粉にして働く」と述べた。
名古屋市の河村たかし市長は25日、記者団の取材に応じ、検証委員会や大村知事が「条件が整い次第、すみやかに再開すべきだ」としたことについて、「とんでもない。勝手にやめて、勝手に始めるなんて大変なことだ」と不快感をあらわにした。一方で「津田さん一人が悪者なのか」と報告結果に疑問を呈した。
河村市長は、10月上旬にも検証委の聞き取りが行われることを明らかにし、トリエンナーレの意思決定機関である実行委員会で議論するよう改めて求めた。