大阪府富田林市の集合住宅で2歳の女児が放置されて熱中症で死亡した事件で、保護責任者遺棄容疑で逮捕された祖母の小野真由美容疑者(46)は市の支援担当者に「どう育てたらいいのか」と漏らし、女児の発育への不安も相談していた。市はこうした相談などを「養育に前向きな姿勢」と捉えて虐待のリスク評価を引き下げていたが、専門家は「危険性の認識が甘く、検証が求められる」と指摘する。
真由美容疑者と内縁の夫の桃田貴徳容疑者(50)は6月29日早朝から約11時間、自宅の一室で同居する小野優陽(ゆうは)ちゃんをベビーサークルに閉じ込め、置き去りにした疑いが持たれている。
市は優陽ちゃんへの対応を児童相談所から引き継いだ2020年10月以降、児童福祉法に基づき、虐待を受けている「要保護」と認定。優陽ちゃんの通う保育園とも連携し、見守り支援を実施することを決めた。
こうした中、真由美容疑者は21年6月、「仕事の都合で保育園の送迎が難しくなった」として退園させた。市側への養育相談では、優陽ちゃんの発育状況に対する不安を打ち明けていたという。
市は、真由美容疑者が養育相談や優陽ちゃんの検診で来庁する姿勢について「育児に前向きに取り組んでいる」と評価。家庭訪問はせず、21年12月には虐待リスクを「要支援」に引き下げた。
児童虐待に詳しい東京通信大の才村純名誉教授(児童福祉論)は、真由美容疑者の養育相談について「保育園の退園で育児の負担が増し、追い詰められているとの見方も必要だった」と指摘。「保育園という外部の見守り役がいなくなった状況で、暮らしぶりを目でも確認できる家庭訪問は必要だったのではないか」と語った。【砂押健太、郡悠介】