台風の避難把握に混乱 auから乗り換え検討も KDDI通信障害

KDDI(au)の大規模通信障害は完全復旧に時間がかかり、4日になっても通話などに支障がある状態が続いた。台風4号で避難指示が出た自治体で避難状況の把握に混乱が生じたり、新型コロナウイルスの感染情報を管理する業務に影響が出たりした。週が明けて仕事にも影響が及んだ利用者も多く、他社の携帯電話への乗り換えを検討する声も聞かれた。
台風4号の接近に伴う激しい雨で4日午前、約9000世帯に一時、避難指示が出た宮崎県日南市。市は4カ所の避難所を開設し、派遣した職員と市の危機管理部署との連絡にau回線を使った無線機や携帯電話を使った。しかし、無線機がつながりにくい上に、2カ所に派遣した職員の私有携帯電話がauだったため連絡が取りづらくなった。市担当者は「避難者の数や状況の把握に苦労した。避難支援に影響が出ないよう、復旧作業を急いでほしい」と求めた。
福岡管区気象台によると、気温や降水量を観測する気象庁の地域気象観測システム(アメダス)は九州・山口の8県に設置された183カ所のうち、ピーク時の2日夜に約50カ所で不具合が発生。4日正午現在で大分、熊本、宮崎の3県7カ所で影響が残っている。
KDDI子会社の「沖縄セルラー電話」(那覇市)がモバイル契約者数でシェア5割を占める沖縄県では、新型コロナへの対応で影響が続いた。県によると4日現在、自宅療養者約5000人のうち多数と連絡が取れない。PCR検査センターの結果通知でも遅れが出ているという。県はホームページを通じ、症状がある人は固定電話や他社の携帯で連絡するよう呼び掛ける。
福岡県警通信指令課によると、2、3両日の110番件数は通常時と比べて大きな変化はなかったが、公衆電話からの通報が増加。2日間で計39件に上り、通常の約2倍になった。KDDIの回線から110番し、「電話がかかるかどうか、試したかった」と話す人もいたという。人命に関わったり、初動が遅れたりするケースはなかった。
福岡市の繁華街・天神のau取扱店には復旧時期を問い合わせる人らが詰めかけた。他社の電話に乗り換えようと訪れた福岡市の男性(79)は「電話が一切つながらない。もう我慢できない」と憤った。東京から出張中の30代の女性会社員は「携帯電話で地図アプリが使えないので飛び込み営業ができない。せっかく来たのに……」と困惑していた。【城島勇人、中里顕、山崎あずさ、佐藤緑平】