2022年夏・参院選 あるぞ、大どんでん返し!東京・大阪〝14激戦区〟 優勢の自公与党、野党も必死の巻き返し ピンチの現職が相次ぎ鬼気迫る訴え

参院選(10日投開票)は終盤戦に突入した。報道各社の情勢分析では、「自公与党の優勢」が続いているが、野党も巻き返しに必死になっている。「物価高」や「電力逼迫(ひっぱく)」など国民生活や企業活動を直撃する危機とともに、日本列島周辺では中国軍とロシア軍が軍事的圧力を強めている。国民の生命と財産を守り切れる政党、候補者は誰なのか。「審判の日」を前に、選挙分析に定評のある選挙プランナー、松田馨氏に全国14の激戦・注目選挙区の情勢を精査してもらった。 「アベノミクスの失敗による負の遺産。異常な物価高。それに何もしない『岸田インフレ』と戦う」「自民党のせいで、若い人の給料が上がらない。壮絶な権力には負けない」 全国屈指の激戦区となっている新潟選挙区(改選定数1)。4期目を目指す立憲民主党現職の森裕子氏は5日、こうまくし立てた。 改選定数が2から1に減った2016年以降、自民党は同選挙区で勝てていない。5月の新潟県知事選のしこりから、野党陣営の足並みが乱れるなか、自民党は東大出身の元県議という新人、小林一大(かずひろ)氏を立てて、森氏との死闘を繰り広げている。 松田氏は「新潟には『新たな顔』を求める世論の空気もある。小林氏がわずかにリードする激戦だ」と分析する。 両党とも、新潟を「最重点区」に挙げており、自民党は、岸田文雄首相や、安倍晋三元首相、麻生太郎副総裁、菅義偉前首相らの大物が続々と選挙区入りした。立憲民主党も幹部らが応援に訪れ、森氏が「師」と仰ぐ小沢一郎衆院議員も関係者に支援を求めている。 首都の東京選挙区(同6)も大激戦だ。 自民党現職の朝日健太郎氏が知名度と支援団体の後押しなどで先行し、元おニャン子クラブで自民党新人の生稲(いくいな)晃子氏も街頭活動に走っている。 過去2回、トップ当選している立憲民主党現職、蓮舫氏は「低調な政党支持率もあり、トップ当選できるか微妙」(松田氏)といい、懸命に支持拡大を訴える。 同選挙区では、公明党現職の竹谷とし子氏、共産党現職の山添拓氏、れいわ新選組の山本太郎代表が続き、日本維新の会新人の海老沢由紀氏らが猛追している。 神奈川選挙区(同4+欠員1)では、自民党現職の三原じゅん子氏がリードし、自民党元職の浅尾慶一郎氏、日本維新の会元職の松沢成文氏、公明党現職の三浦信祐氏が続く。これに、共産党新人の浅賀由香氏、立憲民主党新人の寺崎雄介氏と水野素子氏が猛追する。 関西の激戦区といえば京都選挙区(同2)だ。事実上、立憲民主党現職の福山哲郎前幹事長と、自民党新人の吉井章氏、日本維新の会新人の楠井(くすい)祐子氏の三つどもえとなっている。
参院選(10日投開票)は終盤戦に突入した。報道各社の情勢分析では、「自公与党の優勢」が続いているが、野党も巻き返しに必死になっている。「物価高」や「電力逼迫(ひっぱく)」など国民生活や企業活動を直撃する危機とともに、日本列島周辺では中国軍とロシア軍が軍事的圧力を強めている。国民の生命と財産を守り切れる政党、候補者は誰なのか。「審判の日」を前に、選挙分析に定評のある選挙プランナー、松田馨氏に全国14の激戦・注目選挙区の情勢を精査してもらった。
「アベノミクスの失敗による負の遺産。異常な物価高。それに何もしない『岸田インフレ』と戦う」「自民党のせいで、若い人の給料が上がらない。壮絶な権力には負けない」
全国屈指の激戦区となっている新潟選挙区(改選定数1)。4期目を目指す立憲民主党現職の森裕子氏は5日、こうまくし立てた。
改選定数が2から1に減った2016年以降、自民党は同選挙区で勝てていない。5月の新潟県知事選のしこりから、野党陣営の足並みが乱れるなか、自民党は東大出身の元県議という新人、小林一大(かずひろ)氏を立てて、森氏との死闘を繰り広げている。
松田氏は「新潟には『新たな顔』を求める世論の空気もある。小林氏がわずかにリードする激戦だ」と分析する。
両党とも、新潟を「最重点区」に挙げており、自民党は、岸田文雄首相や、安倍晋三元首相、麻生太郎副総裁、菅義偉前首相らの大物が続々と選挙区入りした。立憲民主党も幹部らが応援に訪れ、森氏が「師」と仰ぐ小沢一郎衆院議員も関係者に支援を求めている。
首都の東京選挙区(同6)も大激戦だ。
自民党現職の朝日健太郎氏が知名度と支援団体の後押しなどで先行し、元おニャン子クラブで自民党新人の生稲(いくいな)晃子氏も街頭活動に走っている。
過去2回、トップ当選している立憲民主党現職、蓮舫氏は「低調な政党支持率もあり、トップ当選できるか微妙」(松田氏)といい、懸命に支持拡大を訴える。
同選挙区では、公明党現職の竹谷とし子氏、共産党現職の山添拓氏、れいわ新選組の山本太郎代表が続き、日本維新の会新人の海老沢由紀氏らが猛追している。
神奈川選挙区(同4+欠員1)では、自民党現職の三原じゅん子氏がリードし、自民党元職の浅尾慶一郎氏、日本維新の会元職の松沢成文氏、公明党現職の三浦信祐氏が続く。これに、共産党新人の浅賀由香氏、立憲民主党新人の寺崎雄介氏と水野素子氏が猛追する。
関西の激戦区といえば京都選挙区(同2)だ。事実上、立憲民主党現職の福山哲郎前幹事長と、自民党新人の吉井章氏、日本維新の会新人の楠井(くすい)祐子氏の三つどもえとなっている。