赤羽一嘉国交相が24日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に関する意向調査で、既に手を挙げている大阪府・市など4地域のほか、東京都を含む4地域が「申請予定または検討中」と回答したと明かした。IRを整備できるのは国内3カ所で、今後、招致レースは激化必至。8月に林文子横浜市長が招致を表明し話題だったが、ここへきて最有力候補に「東京都」が浮上してきた。
■横浜市・山下ふ頭は狭すぎる
IR参入を巡っては、米カジノ大手「ラスベガス・サンズ」が8月、横浜市が手を挙げたことで、それまで検討していた大阪での事業から撤退。「東京と横浜での開発の機会に注力する」と表明している。近接した2地域に「併設」ではバランスが悪いから、どちらかに“軍配”が上がる可能性大だが、どうも横浜の旗色が悪い。候補地である市内の山下ふ頭が“難アリ”なのだ。47ヘクタールという敷地面積では狭すぎるという。都市計画に詳しい建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。
「世界中から客を集める『カジノリゾート』を実現できるほど広大な候補地は、そもそも日本国内にはほとんどありません。47ヘクタールの山下ふ頭にホテルや国際会議場などを詰め込めば、カジノは小規模にならざるを得ない」
内閣府に設置された「特定複合観光施設区域整備推進会議」が2017年4月の会議で示した参考資料によると、世界的カジノリゾートのラスベガスで、米MGMが手掛ける「マンダレイベイ」は、敷地面積約50ヘクタールに対しカジノの床面積は1・3ヘクタール。敷地面積は山下ふ頭とほぼ一緒だが、周辺に同規模の施設が10カ所以上あり、カジノ面積を合計すると約10ヘクタールもの規模になる。
マカオもラスベガス同様、複数のIR施設が集中している。「ラスベガスやマカオではカジノを“はしご”するのが常識」(海外カジノ常連客)。カジノが1つだけなら、少しでも広く床面積が取れる場所でなければ海外とは競争できないのだ。
そこで、山下ふ頭を超える“適地”が東京都内に存在するという。
「敷地面積88ヘクタールの『海の森公園』を含む中央防波堤の敷地の一部でも利用できるのなら、床面積が広いカジノ施設が建設可能でしょう。羽田空港からのアクセスも抜群で、海外からのインバウンド需要も見込めます」(森山高至氏)
都は昨年度、IRを都内に誘致した場合の経済効果について、大手監査法人に調査委託。今年3月、年間の売上高は4000億円で経済波及効果が9000億円にも上るという結果を得ている。小池知事は誘致について「メリットとデメリットがある」と慎重姿勢を崩さないが、虎視眈々と狙っているに違いない。