静岡県警本部に所属する警部補の40代男性が、3年前、病気休職などを理由に、警部からの自主的な降格を当時の上司たちに強要されて精神的苦痛を負ったとして、県警幹部ら4人と県に計300万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。提訴は13日付。
訴えられた4人は、2019年当時に県警本部で男性の上司だった警視と警部など。
訴状などによると、男性はうつ病から職場復帰に向けた訓練に取り組んでいた同年3月、上司から「体調が万全ではない」との理由で警部補への自主降格を申し出るよう求められ拒否した。だがその後、復職しても繰り返し自主降格を要求された。併せて人事面談時に懲戒・分限処分の可能性を示唆されたり、執拗(しつよう)な叱責などのパワハラを受けたりした。男性は同年10月に警部補への降格を申し出て、辞令が出たという。
損賠請求のほか、警部としての地位確認も求めている。
男性は22日、代理人弁護士を通じて「自主降任を求められ、嫌がらせを受けて体調を崩し、自死の一歩手前まで追い込まれた。しかるべき部署に通報したが問題には当たらないと片付けられてしまったため、中立的判断を仰ぐ決断をした」とのコメントを出した。
県警監察課は「訴状の内容を確認し、適切に対処したい」としている。【丘絢太】