「今すぐこの身体から出ていけー!」背中を叩く祖母、予防接種受けられぬ「二世」 新興宗教トラブル体験談

安倍晋三元首相の銃撃事件で、いわゆる「宗教二世」や脱会の難しさなど、新興宗教にまつわるトラブルの数々が注目されている。 弁護士ドットコムニュースのLINE登録者からも、親が入信していたために病気の治療や予防接種を受けられなかったり、信者に執拗につけ回されたなどの体験談が複数寄せられた。 本稿では、寄せられた声の一部を紹介する。 ●「不吉」と言われ、捨てられた猫 叔母が新興宗教にハマっていたという30代の女性(関東地方在住)は「大変迷惑を被っている身としては、カルト宗教としか思えない」と語る。 女性の父親が脳梗塞になり、意識不明で入院中のとき、叔母は、病院に会報とみられる冊子を何十冊も持ってきて布教を始めた。 また、祖父の葬式に、無断で新興宗教の会員を何人も連れてきたり、勝手に身内の名前や働いている会社名を「会員」や「協賛会社」のように扱い、金銭を要求してきたこともあるという。 さらに、女性の祖母も別の新興宗教に入信していた時期があった。祖母は、毎月30万円のほか、数珠やパワーストーンのような物を購入し、1000万円近い額をつぎこんでいたという。女性は、当時の様子をこう説明する。 「献金額が多かったからか、『貴女には力がある』などと言われていたようで、当時は身内が病気になったり、怪我をしたりすると、その会で買った数珠を持った祖母が『今すぐこの身体から出ていけー!!!!』と言いながら背中をバシバシ叩いてきて大変でした。従兄弟が庭で転んで足を折った時も、見た目で明らかに足が折れているのに、数珠を持って叩くんです」 「猫が不吉だと言われ、家族に黙ったままペットの猫を車で片道1時間の山に捨てて来た事もあります」 ●拒めば「不幸になる」…苦痛を強いられた「二世」たち 親の入信により、子ども時代に苦痛を強いられた「二世」もいる。40代の女性(関東地方在住)は、子どものころに「お迎え」を体験したという。 「小1より毎週日曜日朝9時に大学生ぐらいの地区担当が迎えにきて、小学部なるものに連れていかれ、正座で1時間以上、勤行させられてました」 中学生になっても「お迎え」は続き、部活があるからと断ると、「不幸になる」などと言われた。引っ越しを機に、長年の「洗脳」から解放されたという。 別の「二世」の女性(海外在住)は約50年前、叔母、祖父母と母親が新興宗教に入信。この新興宗教は、「薬はよくない」「毒素を体に入れるのはよくない」という考え方で、予防接種を受けることも禁止されていた。
安倍晋三元首相の銃撃事件で、いわゆる「宗教二世」や脱会の難しさなど、新興宗教にまつわるトラブルの数々が注目されている。
弁護士ドットコムニュースのLINE登録者からも、親が入信していたために病気の治療や予防接種を受けられなかったり、信者に執拗につけ回されたなどの体験談が複数寄せられた。
本稿では、寄せられた声の一部を紹介する。
叔母が新興宗教にハマっていたという30代の女性(関東地方在住)は「大変迷惑を被っている身としては、カルト宗教としか思えない」と語る。
女性の父親が脳梗塞になり、意識不明で入院中のとき、叔母は、病院に会報とみられる冊子を何十冊も持ってきて布教を始めた。
また、祖父の葬式に、無断で新興宗教の会員を何人も連れてきたり、勝手に身内の名前や働いている会社名を「会員」や「協賛会社」のように扱い、金銭を要求してきたこともあるという。
さらに、女性の祖母も別の新興宗教に入信していた時期があった。祖母は、毎月30万円のほか、数珠やパワーストーンのような物を購入し、1000万円近い額をつぎこんでいたという。女性は、当時の様子をこう説明する。
「献金額が多かったからか、『貴女には力がある』などと言われていたようで、当時は身内が病気になったり、怪我をしたりすると、その会で買った数珠を持った祖母が『今すぐこの身体から出ていけー!!!!』と言いながら背中をバシバシ叩いてきて大変でした。従兄弟が庭で転んで足を折った時も、見た目で明らかに足が折れているのに、数珠を持って叩くんです」 「猫が不吉だと言われ、家族に黙ったままペットの猫を車で片道1時間の山に捨てて来た事もあります」

親の入信により、子ども時代に苦痛を強いられた「二世」もいる。40代の女性(関東地方在住)は、子どものころに「お迎え」を体験したという。
「小1より毎週日曜日朝9時に大学生ぐらいの地区担当が迎えにきて、小学部なるものに連れていかれ、正座で1時間以上、勤行させられてました」
中学生になっても「お迎え」は続き、部活があるからと断ると、「不幸になる」などと言われた。引っ越しを機に、長年の「洗脳」から解放されたという。
別の「二世」の女性(海外在住)は約50年前、叔母、祖父母と母親が新興宗教に入信。この新興宗教は、「薬はよくない」「毒素を体に入れるのはよくない」という考え方で、予防接種を受けることも禁止されていた。