幼いきょうだい相次ぎ死亡、三男も急死で児相に危機感「尋常ではない」…施設入所は却下

神奈川県大和市で2019年、当時7歳の次男を窒息死させたとして逮捕、起訴された同市の無職上田綾乃被告(42)が、この2年前にも当時1歳の三男を殺害した疑いで再逮捕され、家庭を支援してきた児童相談所にとって、対応の難しさが改めて浮き彫りとなった。県子ども家庭課は「非常に重く受け止めている」として検証を進める。
児相は次男の雄大君が生まれた後の12年7月から、支援対象としてきた。02、03年に長男、長女が死亡しており、市から「これから生まれる子どもが心配」と通告されていた。
12年10月、当時5か月だった雄大君は血中酸素の不足で起こる「チアノーゼ」の症状で救急搬送され、児相は翌月から雄大君を保護した。その後、虐待の形跡がなく、母子関係が構築されているとして、2年5か月後に保護は解除された。
15年11月に三男の康生ちゃんが生まれると、兄弟の成育状況も注視していた。だが、17年4月、康生ちゃんが急死。児相は「尋常ではない」と上田被告への関与を強めた。
死亡当日から4日連続で家庭訪問し、再び雄大君の保護を始めた。その後、児童養護施設への入所を横浜家裁へ申し立てたが、「在宅での支援が可能」として却下され、18年12月から自宅へ戻していた。
保護中に雄大君は「(上田被告に)投げ飛ばされて口から血が出たこともある」と話したが、面会の様子などから問題ないと判断された。雄大君が死亡する4日前にも面会していたという。
県は今年4月から第三者による検証委員会で、対応が適切だったかを審査している。県子ども家庭課の担当者は「対応が難しかったでは済まされない」と語る。