お盆の帰省ラッシュ、ピーク迎える 感染高止まりで人出少なく

お盆休みを古里や行楽地で過ごす人たちの帰省ラッシュが11日、ピークを迎えた。新型コロナウイルス対策の行動制限はないが感染者数の高止まりは続いており、コロナ禍前と比べると人出は少なかった。
JR東海によると、東京発の東海道新幹線下り自由席の最高乗車率は午前6時発のぞみ1号の110%だった。午前中の下りの指定席では満席も相次ぎ、JR東京駅は多くの家族連れらで混雑した。
3年ぶりに家族で埼玉県から滋賀県の実家に帰省する酒井誠さん(49)は「コロナでピリピリしていたのでこれまで帰省を控えていた。今も感染者は増えているが、どんな病気か分かってきたし、ワクチンも打っている」と話す。長女の陽菜さん(8)は「おばあちゃんと一緒にトランプするのが楽しみ」と笑顔を見せた。
JR各社が先月発表した8月10~17日の新幹線、在来線の指定席予約数は、6都府県で緊急事態宣言が出されていた2021年に比べると2・69倍と増えた。ただ、コロナ禍前の18年比では6割にとどまっている。
一方、航空各社が7月に発表したお盆期間(8月6~16日)の予約状況は、国際線が計27万5000人で21年に比べ4・6倍、国内線が計299万8000人で1・7倍といずれも増加した。全日空と日航の国内線はコロナ禍前の19年の約8割まで戻ってきている。
高速道路各社は8月10~16日の7日間に、10キロ以上の渋滞が上下線で計353回発生すると予測。6~16日の11日間で計82回だった昨年の4倍超にあたる。
各社は上り坂での速度低下に注意するなどの渋滞緩和への協力に加え、こまめに休憩を取るなどして安全運転を徹底するよう呼びかけている。【竹内麻子、寺田剛、千脇康平】