千葉県銚子市内で市指定のごみ袋が不足する事態が起きている。市の委託業者が中国で製造しているが、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の影響で生産や物流が滞っていることに加え、最近の市内での需要増が重なって品薄に陥っているという。市は急きょ、2021年3月まで販売していた旧式の袋を代用品として流通させるとともに、「在庫は十分にあるので、買いだめはしないで」と呼び掛けている。
銚子市では、市が指定する有料の袋に入れてごみを出すのがルールだ。焼却に回す「普通ごみ」の場合、容量45リットルの大サイズ(10枚450円)と同20リットルの小サイズ(10枚200円)の2種類が用意されており、市内のスーパーやコンビニなどで買うことができる。しかし、8月下旬になってから、特に大サイズのごみ袋が手に入りづらくなったという。
背景には、新型コロナの感染拡大や国際情勢の影響がある。
市生活環境課によると、ごみ袋を生産している中国で新型コロナの感染が拡大したことで、現地工場の作業に遅れが発生した。8月の納品分は既にできているものの、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などで燃料費が高騰し、船便の数が減っているため、市内に届く時期は不透明な状況になっているという。
一方、最近になって指定ごみ袋に対する需要も高まっている。理由は不明だが、ごみ袋の切り替えが影響している可能性があるというのが市の見立てだ。
銚子市では21年4月からごみの分類が変わり、これに合わせて指定ごみ袋も刷新した。旧式の袋も当面は使えるものの、担当者は「各家庭が買いだめしていた旧式が底を突き、新しい袋への切り替えが進んでいる時期なのではないか」とみる。
さまざまな事情が重なって起きたごみ袋不足という異常事態。市は苦肉の策として、在庫が残る旧式の45リットルのごみ袋を販売店に流通させている。
市が懸念しているのは、買いだめが起きることだ。旧式の使用期限は23年3月末と決められており、必要以上に購入しても使えなくなる恐れがある。市の担当者は「旧式の在庫は十分にあり市民が困ることはない。ごみ袋は必要な分だけを購入してほしい」としている。【古賀三男】