和歌山県は31日、道路照明灯の電気料金約1600万円を関西電力に過払いしていた可能性があると発表した。県道から撤去した照明灯の契約を解約しないまま、支払いを続けていた事例などがあった。また、国や市町に道路を移管したにもかかわらず、契約変更手続きをせずに県が代わりに支払い続けていた契約も180件約4500万円あったとしている。
県によると、8月25日時点で過払いの可能性があるのは、既に撤去・移設して存在しない照明灯の契約で59件約1400万円、料金単価の安い発光ダイオード(LED)照明に付け替えた後も従来の単価で支払いを続けていたのが102件約200万円だった。一方、街灯を追加で設置した箇所などの未払いも15件約180万円あったという。
大阪府が5月、過払い事案を発表したことを受け、県も6月から調査を始めて発覚した。これまで県内の全契約4560件のうち4453件を調べ、うち356件で不適切な状態にあることが判明した。残る107件も確認を進めている。古い契約では、1964年から誤って支払い続けていた事案もあったという。
県は過払いについて、県や県発注工事の受注者による契約の変更、解除の手続き漏れを主要因とみているが、関電による契約変更の手続き漏れもあったとしている。今後、返還について関電と協議していくといい、仁坂吉伸知事は31日の記者会見で「不注意な行政をし、県民のお金を不当に使ってしまった。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
関電広報室は「これまで県と調査や協議をしてきた。引き続き丁寧に対応する」としている。【山口智】