「殺すぞ」「泣かすぞ」と暴言 和歌山県警が違法取り調べ認め和解へ

和歌山県は1日、県警の取り調べ時に「殺すぞ」などと暴言をはかれ精神的苦痛を受けたとする男性が、和歌山地裁に起こしていた損害賠償請求訴訟について、和解する方針を明らかにした。県が慰謝料30万円を支払い、県警は違法な取り調べを認め男性に謝罪する内容。県は関連議案を8日開会の9月県議会に提出する。
県警などによると、訴訟の原告は和歌山市の40代男性。訴状などによると、男性は2020年7月、和歌山北署に暴力行為処罰法違反容疑で現行犯逮捕された。署の30代の男性巡査部長は取り調べ時に「泣かすぞこら」「切れさすんかほんま。暴れるぞ」「どつき殺すぞ」などと繰り返し、男性は執行猶予付きの有罪判決を受けた後、入院を余儀なくされたという。取り調べは録音・録画されており、男性は21年6月、176万円の損害賠償を求めて提訴していた。
県警によると、巡査部長は「ふてくされているように見えた態度に腹が立った」と事実関係を認め、男性に文書で謝罪した。県警監察課は「厳正に対応する」としている。【駒木智一、山口智】