横田早紀江さん「解決せず、いらだち」 日朝会談20年を前に会見

北朝鮮が拉致を認めた初の日朝首脳会談から9月17日で20年となるのを前に、拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)の母早紀江さん(86)が6日、川崎市内で記者会見した。被害者救出を訴え続けた年月を振り返りつつ、「いつまでたっても解決しないという思いしかない。(最近は)言いようのないいらだちが多い」と話した。
20年前、北朝鮮は初めて拉致を認めた一方、横田めぐみさんについては1993年に自殺したと説明した。
早紀江さんはその説明に衝撃を受けたものの、北朝鮮の言い分を信じるつもりはなかった。「どの親御さんでも、これだけ待ち続け、頑張り続けている状況で、(死亡という説明に)簡単にそうですかと言う人はいないですよ」
2002年の首脳会談から約1カ月後、拉致被害者のうち5人が帰国した。めぐみさんの行方は分からないままだったが、帰国した拉致被害者が「94年までめぐみさんの姿を見ていた」と証言していたことが04年に判明。めぐみさんの遺骨だとして北朝鮮が提供した骨も日本での調査で別人のものと分かった。
早紀江さんはめぐみさんの生存を確信し、数年内には帰国するという期待感も膨らんだ。「やっぱり、(政府は)手を打つだろうと思っていた。一生懸命いろんな形で動いてくださると思っていました」
しかし、そうした思いは裏切られ続けた。未解決のまま、拉致被害者家族会の活動で共に講演や署名に立った被害者の親世代が次々と亡くなった。家族会初代代表だった夫滋さんは20年6月に帰らぬ人となり、2代目代表の飯塚繁雄さんも21年12月に死去。3代目には早紀江さんの長男拓也さん(54)が就いた。
早紀江さんは政府に対し、「自分の子どもがこうなったらどんな気持ちなのかと思ってもらわないといけない」と改めて述べた。その上で、解決の糸口さえ見えないまま家族会が代替わりするほど問題が長期化する現状について「何代、つらい思いをしながら背負っていかないといけないのか」と嘆いた。【斎藤文太郎】