どこまで広がるのか――。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、スポンサー企業の出版大手KADOKAWAから計約7600万円の賄賂を受領したとして、東京地検特捜部は6日、受託収賄の疑いで、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)を再逮捕した。
KADOKAWAが資金提供していたコンサルタント会社「コモンズ2」の代表・深見和政容疑者(73)も同容疑で逮捕した。また、贈賄の疑いでKADOKAWAの元専務の芳原世幸容疑者(64)ら2人を逮捕し、東京都千代田区の本社や角川歴彦会長宅を家宅捜索した。
KADOKAWAは2019年4月にスポンサーとなった後、コモンズ2に資金提供。深見容疑者はKADOKAWAの意向を受け、スポンサーに後押しするよう高橋容疑者に依頼し、同容疑者が組織委側に働きかけたとみられる。資金はその見返りだった疑いがある。KADOKAWAは「多大な心配と迷惑をおかけしたことを深くおわびする」とコメントした。
経済界に続き、出版界からも逮捕者が出たが、関係者は「企業側にとっては、五輪のスポンサー企業に名前を連ねることがブランドイメージ向上にもつながる」と指摘。広告代理店大手・電通の元専務だった高橋容疑者は、02年日韓W杯など多くのメガスポーツイベントに関わってきたことで知られており、「国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の窓口は高橋容疑者しかいないという認識もあった。(贈賄が)犯罪と分かっていても、やめられなかったのだろう」とみる。
今後も逮捕者続出となるのか気になるところだが、事情通は「スポンサー企業のほとんどが特捜部の標的になっており、すでに次の企業の名前も挙がっている。どこも戦々恐々では」と明かす。
一方、高橋容疑者は「身に覚えがない」と容疑を否認。「電通時代に散々やってきたピンハネを、みなし公務員の立場で同じようにやってパクられた。本人にすれば、『何で?』となる」(同)と解説した。