北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場一帯で起きた2度の大規模火災のうち最初の4月の火災について、福岡県警が「出火原因は不明」とする鑑定結果をまとめたことが捜査関係者への取材で判明した。火元とみられる飲食店で電気配線がショートした跡が見つかったが、出火原因とは確定できなかった。放火や失火を示す痕跡も確認されていないため、県警と市消防局はこれらの結果を受け、出火原因の特定を断念するとみられる。
火災は4月19日午前2時40分ごろ、市場の一角から出火。42店舗延べ1924平方メートルを焼損し、約65時間後の21日午後7時半に消し止められた。けが人はいなかった。県警は出火直後の目撃証言や焼け跡の状況から、市場北側に隣接する飲食店街「新旦過横丁(よこちょう)」にある飲食店を火元とほぼ特定し、出火原因を調べていた。
捜査関係者によると、飲食店の焼け跡に残っていた電気配線を回収して鑑定したところ、2階にあったとみられる配線の1カ所にショートした跡があった。ただ、出火後の熱により被膜が溶け、むき出しになった配線同士が接触してショートする可能性もある。今回のケースでも、ショートが出火前なのか後なのかは判別できなかったという。
県警は、たばこの不始末による失火の可能性も検討したが、この店舗の焼け跡を調べたところ、吸い殻が燃えずに残っていたことなどから考えにくいと判断。放火の疑いを示すような痕跡も確認されなかった。これらの捜査結果を受け、県警などは出火原因の特定は困難と結論付ける模様だ。
旦過市場一帯では、8月10日夜に2度目の大規模火災が発生。新旦過横丁にある別の飲食店関係者が「天ぷら油を処理する凝固剤を入れて加熱していたら、油に火が付いた」などと説明しているといい、県警は業務上失火の疑いもあるとみて、市消防局と出火原因を調べている。【佐藤緑平、林大樹】