学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)の土地取引を巡る業務上横領事件で、大阪第4検察審査会(検審)は30日、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市中央区)の山岸忍元社長(59)に証人威迫容疑などで刑事告発され、大阪地検が不起訴にした男性検事2人について、「不起訴相当」とする議決書を公表した。議決は29日付。2人の不起訴処分が確定した。
2人は大阪地検特捜部の検事として事件を担当し、現在は東京地検に異動している。山岸氏の関与を裏付けるため元部下(57)らへの脅迫的な取り調べで虚偽の供述を引き出したとして告発されたが、大阪地検は6月に容疑不十分で不起訴にした。この処分を不服として、山岸氏が検審に審査を申し立てていた。
元社長「人生を壊した責任を取らなくていいのか」
検審は議決書で「取り調べの録画映像を視聴して慎重に審査した結果、不起訴を覆すに足りる証拠はなかった」との判断を示した。
山岸氏の弁護団は大阪市内で記者会見し、「検事の乱暴な発言、態度は明らかで、不起訴を容認する議決は理解できない」と批判。山岸氏も「人生を壊した責任を取らなくていいのか。悔しく理不尽な思いだ」とのコメントを出した。
山岸氏は2019年、元法人理事長(64)らと共謀して高校の土地を同社に売却した際の手付金21億円を着服したとして、特捜部に逮捕・起訴されたが一貫して無罪を主張。21年10月の大阪地裁判決は、検察側が有罪立証の柱とした元部下らの供述の信用性を否定し、無罪を言い渡した。
弁護団は22年3月、山岸氏が違法な捜査で248日間勾留されたとして国家賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしている。【沼田亮、古川幸奈】