「各大学で個別に対応を」先住民遺骨問題で文科相

盗掘が疑われる海外の先住民の遺骨が国内の大学に保管されていることについて、永岡桂子文部科学相は3日の閣議後の記者会見で「遺骨の入手経路や権利関係はそれぞれ異なるため、大学で個別に対応を検討するのが基本」と述べ、大学側が対応すべきだとの認識を示した。
東京大と京都大、東京医科歯科大は、マレー半島の東側に位置するボルネオ(カリマンタン)島西部の現地の先住民「ダヤク」の遺骨を保管している可能性があり、その遺骨が戦前に盗掘されたことなどが、学術論文や外交文書などに記されている。東京医科歯科大は、ダヤクの遺骨を保管していることを認めている。
文科省は大学を指導する立場だが、その点について永岡氏は「大学での対応が基本」と同じ答えを繰り返した。そのうえで「大学から問い合わせが来たら、それに協力をしないということはない」と話した。【三股智子】