異例の区長選「再選挙」…頭抱える最多得票の候補者「想定していなかった」

過去最多となる新人6人が激戦を繰り広げた東京都の品川区長選は2日、投開票の結果、当選者が決まらずに再選挙が行われる見通しになるという異例の展開をたどった。最多得票となった前都議の森沢恭子氏(43)も2万7759票にとどまり、当選に必要となる有効投票数の4分の1(約2万8300票)に約600票足りなかった。総務省によると、区長選での再選挙は初となる。

投票率は35・22%で、前回選(32・71%)を2・51ポイント上回った。当日有権者数は33万516人。
区長選には、森沢氏のほか、前区議の石田秀男氏(63)(自民推薦)、元銀行員の山本康行氏(46)、前区議の西本貴子氏(61)、大学非常勤講師の村川浩一氏(75)(共産推薦)、元区議の大西光広氏(65)が立候補した。4期16年務めた浜野健区長(75)の引退を受け、候補者が6人まで増えたことに加え、大きな争点もなかったため、票が分散する形となった。
区などによると、公職選挙法に基づき、2週間の異議申し出期間を経て、50日以内に再選挙が行われる見込みという。浜野区長は7日に任期満了を迎えるため、区幹部が区長の職務を代行することになるとみられる。

各候補者の陣営にも困惑が広がった。大井町駅近くに設けられた森沢氏の事務所には2日夜、森沢氏と支援者らが集まった。午後11時過ぎになり、最多得票であることが伝わると拍手が上がったものの、まもなく再選挙になるという情報が届き、森沢氏は「想定していなかった」と頭を抱える様子を見せた。

報道陣の取材に応じた森沢氏は、「当選にいたらず、仕切り直しだ。驚いている」と述べた。再選挙について「再挑戦する決意だ。最多の得票をいただけたことを大切にして、幅広く支持を広げたい」と語った。
一方、森沢氏に次ぐ2万6308票を得た石田氏の陣営。同駅に近い事務所に集まった支援者らは、テレビで開票状況を見守った。開票結果が流れると、「うわぁ」「危ない」という声が相次いで上がった。
その後、事務所に姿を見せた石田氏が深々と一礼すると、支援者らは大きな拍手で出迎えた。石田氏は「私としては勝ちきれなかった」と述べた上で、「皆様に支えていただいたことは大変感謝している。この思いを引き続き持ち、新たなる挑戦が始まる」と再選挙への出馬に意欲を見せた。
2万4669票を得た山本氏は立憲民主党の松原仁衆院議員らが支援した。約20年の銀行員経験を生かして「区民の声を聞く区政に」と訴え、羽田空港の新飛行ルートを巡る住民投票の実施や、子育て支援などを掲げていた。
このほか、区政の刷新を主張した西本氏や、社会福祉施策の充実などを訴えた村川氏、区役所新庁舎の整備計画見直しなどを掲げた大西氏にも、それぞれ一定の支持が集まった。

7人が立候補した品川区議補選(欠員3)では、新議員が続々と決まった。