2021年度県内の児童相談所の児童虐待対応件数(速報値)は2509件となり、過去最多だった20年度の1835件を更新したことがこのほど分かった。相談窓口の普及などにより家族や親戚、本人などの通告で全国的にも増加傾向にあり、21年度は20万7659件で過去最多だった。県では県警との連携強化を図った19年度から件数が顕著に伸びている。(社会部・平良孝陽)
県青少年・子ども家庭課によると、2509件のうち、最多は子どもの前で家族に暴力を振るう面前DVを含む「心理的虐待」で1940件(77%)。次いで「身体的虐待」が299件、「ネグレクト」が258件、「性的虐待」は12件だった。
担当者は「親子げんかなど子どもの前でのDVが虐待との認識が広まったことで、近年は心理的虐待の件数が増加している」と説明した。厚生労働省の全国の児童相談所のまとめでも、昨年度は心理的虐待が約6割を占めている。
県警との連携を深めたことも、県は増加につながった要因とみている。県内での虐待の相談経路は県警が1994件(79%)。20年度よりも571件増えた。19年度から増え、これに伴い総数を押し上げている。
同年の千葉県野田市の小4女児虐待死事件などを受け、全国で児童相談所と警察との連携強化を図る取り組みが一層進んだ。女児は事件の2年前まで糸満市在住で、父親による虐待を疑う相談が親族から寄せられていたにもかかわらず、糸満市が転居先の野田市に十分に伝えていなかった不備もあった。
県は同年8月から県警との連携を深め、虐待情報の共有だけでなく人事交流や連絡会を開いている。
(写図説明)県の児童相談所の虐待対応件数