日本維新の会の鈴木宗男参院議員(74)が自身のブログに投稿した「持論」をめぐり、ネット上で反発の声が広がっている。きっかけは10日に更新したブログでこうつづっていたことだ。
《ウクライナのゼレンスキー氏が7日、「ウクライナはロシアの占領下にある北方領土を含む日本の主権と領土の一体性を尊重することを確認する」と大統領令に署名したと報道されている。単純に考えれば日本を支持する立場のように見えるが、有難迷惑な話である》
北方領土は「日本固有の領土」――。日本政府や外務省が長い間、国内外に向けて発信してきたメッセージだ。ゼレンスキー大統領が署名した大統領令は、この日本政府の姿勢を積極的に支持する内容であり、北方領土問題の解決に向けて尽力してきた鈴木氏であれば、本来は歓迎するべき動きだろう。
実際、鈴木氏は1995年6月の衆院本会議で、「北方領土問題の解決促進に関する決議案」の趣旨説明に立った際、こう発言していた。
「政府は、戦後50年を期して、北方領土の返還を求める国民の総意と心情にこたえるため、日ロ両国間の政治対話をさらに推進し、相互理解と信頼醸成に努めるとともに、北方領土問題が4島の帰属問題であると位置づけた東京宣言を基盤とし、北方領土の返還を実現して、平和条約を締結することにより、日ロ両国間に真に安定した平和友好関係を確立するよう、より一層の努力を傾注すべきであります」
「東京宣言」とは、93年に当時の細川護熙首相とエリツィン大統領が署名した「4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する」という内容。だが、プーチン大統領は2005年9月、国営テレビで突然、「第2次大戦の結果、南クリル(北方4島)はロシア領となり、国際法的にも認められている」などと発言。
「東京宣言」を反故する暴挙に出たわけで、ゼレンスキー大統領の今回の姿勢は、このプーチン大統領の歴史修正の動きも批判する点からも鈴木氏にとっては好ましいはずではないか。
鈴木氏は、戦闘が長期化し、じりじりと劣勢に立たされつつあるロシアのプーチン大統領をこれ以上、刺激するな――と言いたかったのかもしれない。だが、ネット上では、《鈴木議員はなぜ、ゼレンスキー大統領を否定するのか》《意見を言うべき相手は、プーチン大統領ではないか》といった声が出ている。