ひろゆきさんの言動「一番問題なのは…」 仁藤夢乃さん、攻撃から見える日本の闇

ひろゆき(西村博之)氏が名護市辺野古を訪れ、新基地建設に対する抗議行動を嘲笑した翌週の11日、仁藤夢乃さん(32)は現場で座り込みに加わった。普段は一般社団法人「Colabo」(東京)の代表として、若い女性を性搾取から守る活動をしている。(聞き手=編集委員・阿部岳)
-なぜ辺野古に。
「ひろゆき氏の言動を知って、怒りに震えました。沖縄の人々と共にありたい、連帯を示したいと思って飛行機の切符を取りました」
-ひろゆき氏の言動の何が一番問題ですか。
「発言内容も全部おかしいけれど、一番問題なのは抗議する人々をばかにするために来たことです。抗議行動のマイクを無理に奪おうとして、反発を引き出して、過激な人たちであるかのように印象付けていました」
-仁藤さん自身も不当な攻撃を受けています。
「殺害やレイプ予告、頼んでいない商品が届きます。警察を呼ばざるを得なくて、その対応で人手や時間を奪われる。口をふさぐための暴力で、沖縄への攻撃と重なります」
-攻撃から、日本の闇が見えますか。
「みんな、自分は社会の構造的暴力と無関係だと思いたい。当事者性、加害性を自覚したくないですから。ただ、他者の痛みを想像できない人は、自身の痛みにも鈍感になってしまいます」
-どう向き合っていきますか。
「攻撃してくるのは、相手が私たちの声を脅威に思い、影響力を恐れているからです。嘲笑やデマはある程度成功してしまっているので、手口を明らかにし、対抗していく必要を感じています。それから連帯すること。辺野古で、抗議の女性が『来てくれてありがとう』と言ってくれました。ひろゆき氏の発言以来、悔しくて眠れないと言います。私も『諦めずに声を上げ続ける皆さんの存在が励みです』とお伝えしました。命と尊厳を守る闘いだから、私たちはやめられません」